ミマキエンジニアリングは、これまでの2Dの高画質業務用インクジェットプリンタ開発で培ってきた技術を生かし、世界初となる1000万色以上のフルカラー造形を実現するUV硬化インクジェット方式3Dプリンタ「3DUJ-553」を、11月から発売する。価格は1780万円、販売目標は海外を含め年間100台。
新製品は、UVインクを一層ずつプリントし、それを積み上げることで造形する「UV硬化インクジェット方式」を採用。造形後に着色するのではなく、カラーインクを使用して造形していくため美しいフルカラー表現が可能となる。
積層ピッチは最小22ナノメートルを達成し、同社独自の波形コントロール技術と高精度なインク吐出技術により、狙った場所に正確にインクを着弾。ディテールまでこだわった精巧な造形を実現する。
インクはアクリル系樹脂を使用し、ABS樹脂同等の強度を有しているため、ドリルなどを使用した穴あけやネジの取り付けが可能。オーバーコートも使用できるため、最終製品としてより美しく仕上げられるとともに、耐候性に優れ、固定することが求められる看板用途などにも効果的に活用できる。
また、サポート材には水溶性のインクを採用。繊細なデザインの場合でも造形物を破損させることなく、水に漬けることで簡単にサポート材を除去することができる。
さらに、顔料の沈殿を防止する「循環ヘッド」を内蔵。安定したインク吐出を実現するだけでなく、ノズル抜けの要因となる気泡をインクの循環により除去する。そのほか、ノズルの状態を赤外線センサーが自動で検知する「NCU(Nozzle Check Unit)」や、造形の進捗状況が遠隔地から確認できる「造形監視用カメラユニット」を搭載。ロスを最小限にとどめる安心運転をサポートする。