シーメンスは9月12日、東京都港区のグランドハイアット東京で2017年の事業説明会を開催。日本でもデジタル関連の事業を強化していく方針を示した。
はじめにシーメンス本社取締役ローランド・ブッシュCTOが全体の概略を説明。電化、自動化、デジタル化の3つの事業を柱に、16年度は売上高793億ユーロ。デジタル化領域ではクラウドベースのIoTプラットフォーム「MindSphere」展開のほか、メンターグラフィックスなどM&A推進によってソフトウェア企業としても世界トップにいることを説明。
各産業における専門知識とノウハウ蓄積、すでに世界中で導入されている同社の製品、エコシステムの構築、強力なデジタル化のポートフォリオ、社内での多数の実証事例を強みとしている。
具体的なデジタル化事例として、年間100万ドルのコスト削減したアメリカのジャクソンビル市のスマートグリッド構築、開発時間30%短縮したイタリアの自動車メーカー・マセラティ社、極限環境ながら99%の運行稼働率を実現したロシアの高速鉄道、同社のインダストリー4.0モデル工場のアンベルク工場の取り組みを紹介した。
次いで「未来を予測して先手を打つ」をテーマに日本のデジタル戦略を藤田研一代表取締役社長兼CEOが説明。日本では製品設計から生産、アフターサービスまでのバリューチェーンすべてをデジタル化し、デジタルツインを実現する「デジタルエンタープライズ」とIoT基盤であるMindSphere、予知保全や先進的なメンテナンス、新たなサービス化を提供する「デジタルサービス」の3つの分野に注力していくとした。