牽引する半導体製造、工作機械
FA・制御機器の出荷が依然大幅な増加で推移している。PLC(プログラマブルコントローラ)やセンサ、サーボモータなどが前年同期比120%前後と大きく伸長している。旺盛な半導体需要を背景に半導体製造装置の販売が同150%前後の異常な伸びを見せているほか、工作機械受注も、このところ前年同月を20%以上上回る状況が続いている。このまま推移すると、過去最高を大きく更新するのは確実で、生産や納期管理面にも影響を与えそうだ。
日本電気制御機器工業会(NECA)の2017年4月~8月まで5カ月間の出荷額は3078億円で前年同期比118.1%と20%近い伸びとなっている。
6月には単月で過去最高となる651億円となったほか、7月が633億円と過去3番目、4月が634億円で同4番目となり、過去2番目も17年3月に643億円となっており、直近6カ月のうち、4カ月で過去最高の1~4番の出荷額を占める。5月は570億円、直近の8月は590億円と600億円にわずかに届かなかったものの、高水準が続いている。
出荷額のうち、国内は同112.1%、輸出が同126.5%と輸出が14ポイントほど高いが、国内も2桁伸長で、国内外でバランスの取れた伸びになっている。中でも、出荷金額が最も多いPLC・FAシステム機器は126.2%と極端な高い伸びで、検出用スイッチ118.6%、操作用スイッチ117.7%、制御用専用機器115.1%といずれも2桁の伸長を見せている。
日本電機工業会(JEMA)の産業用汎用電気機器の17年1月~8月の出荷実績は、前年同期比112.5%の5846億円。過去10カ月連続で前年同月を上回っており、中でもPLCとサーボモータは13カ月連続で上回っている。PLCは123.3%増の1063億円で、月ベース132億円で推移していることから、年間で1600億円台乗せも視野に入ってきた。サーボモータも129.8%の1320億円で、月ベース165億円で推移していることから、2000億円突破の可能性も出てきた。
こうした好調な出荷を支える大きな要因として、半導体・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置向けの販売増が大きい。半導体・FPDの需要は、スマホや自動車の電子化などで大きく伸長している。
日本半導体製造装置協会(SEAJ)の17年3月以降の日本製半導体製造装置の販売高は前年同期比130%前後の1500億円~1700億円で推移しており、6月は153.6%、7月は149.9%、8月は141.9%と高水準が続いている。
工作機械もこのところ毎月120%前後で推移している。自動車、電池、スマホ、建機向けなどが牽引している。PLC、サーボモータメーカーを中心に生産能力一杯の体制で取り組んでいるが、新たに工場増設計画を発表するメーカーも出ている。