フエニックス・コンタクトは10月4日、AP東京八重洲通りで「PV安全セミナー2017」を開催し、約60人が参加した。
セミナーでは「太陽光発電の安全性に関する諸問題について」と題し、産総研太陽光発電研究センターの加藤和彦上級主任研究員が講演。太陽光発電施設の事故事例を取り上げ、パターン別に強風や台風によるパネルの吹き飛び、大雪によるパネルへの積雪での倒壊、落雷による機器破壊のケースなどがあると紹介。事故火災でもパネルに日光が当たる間はずっと発電が続いて被害を増大させること、感電の恐れがあるため放水ができないことや、吹き飛ばされたパネルが敷地外で他者に損害を与えかねないといった事故の際の注意点を指摘し、業界を通じて安全意識を高めていく必要があることを強調した。
続いて昭電技術開発部の柳川俊一氏が雷リスクマネジメントについて話した。雷の発生原理から雷被害のメカニズムや落雷リスクを紹介した後、直撃雷対策としてLPSの設置と接地システムの工夫、電気・電子機器の保護対策として等電位ボンディングとSPD設置を提案した。
3人目にはフエニックス・コンタクト本社からロッテ・イーラー氏が登壇。太陽光発電施設への安全対策についての世界の動きを紹介。北米は意識が高く、安全対策も進んでいるのに対し、日本やヨーロッパでは対策はこれからという傾向だという。また火災の発生源はDCコネクタ不良が多く、火災発生前と発生中、発生後の鎮火と処理方法を解説し、火災事故を防ぐためにもきちんとした施工とメンテナンスをすることの重要性を訴えた。