オムロンは、自社のコア技術「センシング&コントロール+Think」を通じて、同社が目指す「人と機械の融和」をわかりやすく紹介することを目的に、進化を続ける卓球ロボット「FORPHEUS(フォルフェウス)」の4代目を発表した。
未来の「人と機械の関係」
「フォルフェウス」は、2013年に登場して以来、「機械による人の能力の引き出し」を軸に進化を続けてきた。16年にはAI技術「時系列ディープラーニング」を実装。学習結果を基にラリー相手のレベルを判断し、それに合わせた返球を行うことが可能となった。
4代目「フォルフェウス」は、「初心者から上級者など幅広い人が卓球ラリーを楽しめる」ロボットとして、サーブ機能、スマッシュ対応機能を追加。初心者の約30%が失敗するサーブをロボットが行うことで、ラリーの開始を補助する。
サーブ機能は、トスを上げるために新たに追加した垂直多関節ロボット「Viper(ヴァイパー)650」と「フォルフェウス」に使われている2台のコントローラを100分の1秒以下の精度で「同期制御」することで実現。2台のロボットを使い、トスを上げてサーブを打つ機能を持つロボットは世界初となっている。
また、上級者のレベルに合わせるべくスマッシュに対応することで、より高度な卓球ラリーを堪能。相手の身体の動きを人体センサで検知し、「時系列ディープラーニング」で解析することで、相手がスマッシュを打とうとする気配・意図を読み取り、打つと判断した場合、打ち込まれそうな位置を予測し待機。さらに、ボールを追従する「アルゴリズムを高速化」したことで、時速40キロ~80キロのスマッシュへの対応を可能としている。
10月3日~6日に開催された「CEATEC JAPAN 2017」の2日のプレス公開日では、リオデジャネイロ五輪卓球メダリスト・水谷隼選手とラリー対決をするイベントが行われ、会場を大いに盛り上げた。