日本航空電子工業は、従来技術では困難だった曲面や動きのある電気接続対象物への取り付けが可能で、軽量、低コスト、低背、防水といった要求にも応える「フレキシブル接続技術」を開発した。
新技術は、柔軟な弾性体上に電極を形成し、圧力により変形した弾性体の復元力により接圧を保持する構造になっており、電極同士の電気接続界面にはんだや導電性接着剤などが介在しないため、デバイスの動きに柔軟に追従し、安定した電気接続を提供できる。
弾性体の復元力を誘起するための固定端保持機構としては、弾性体に接着性を付与する化学的な接続機構と、弾性体をファスナー嵌合構造にする物理的な接続機構の2つの技術群を有しており、これらのフレキシブル接続技術は、電極を密閉した防水構造であるため、屋外使用やウェアラブル用途などへの展開も期待される。
さらに、熱レス接続・実装により、熱に弱い材料との接続が可能で、熱変形、圧着による歪みが生じにくい接続方式なうえ、電極面同士の接触接続により動きに対し安定した接続構造で、フィルムが複雑な形状へ追従するため、機器の小型化・高密度化が可能などの特長がある。
同社では、今後、産業分野、医療・介護・ヘルスケア分野などにおけるフレキシブルなデバイス(機器)での適用を目指すとともに、センサモジュール用途への応用も検討していく。