安川電機は、IoTやAIを活用した新しいものづくりを支援する新たな産業用モーションネットワーク「MECHATROLINK(メカトロリンク)-4」(M-4)と、サーボアンプとサーボモータのエンコーダ間通信「Σ-LINK(シグマ・リンク)」に、センサなどのI/O機器も接続できる「Σ-LINK Ⅱ」を開発した。
「M-4」は、従来の「MECHATROLINK-Ⅲ」(M-Ⅲ)の持つ高機能、高性能、高信頼性と使いやすさを維持(アプリケーション互換の確保)しつつ、伝送効率を同一条件で4倍に向上させた。これにより、分散制御による最適なものづくりが進められる。
また、接続局数をマスタ最大8局/スレーブ最大120局、±1μsの同期補正をホップ数制約なしに拡張したほか、非対応だったマルチマスタ、IP通信、標準イーサネットに対応するなど、さらなるシステムの高機能・高性能化を提供するうえ、開発・維持管理の簡単化を実現。
さらに、今後の一層の性能向上を見すえ、1000Base-Tといったギガベースの通信にも対応できる物理層仕様にしている。
「Σ-LINK Ⅱ」は、従来のエンコーダ用通信としての高機能・高信頼性通信を維持しつつ、MECHATROLINKのようなカスケード接続を可能とすることで、センサやI/O機器等の機械側に設置される機器をカスケードに接続。システムの高機能・高性能化と省配線化を実現する。とくに、予知保全につながるセンサの情報をメンテナンスなどにも活用できることになる。
同社では、「M-4」と「Σ-LINK Ⅱ」を組み合わせて使用することで、モーション制御に関連するデータだけでなく、各種センサのデータも簡単・シンプルに同期して取得することが可能となるとし、生産性をさらに向上させるとともに、IoTやAIを活用した新しいものづくりの実現を支援していくとしている。
なお、この技術は2018年度中にMECHATROLINK協会(MMA)に技術移転する予定。また、今年11月29日から開催のシステムコントロールフェアの同社とMMAのブースで展示する。