SCF・計測展/国際ロボット展 11月29日から開幕 次世代のものづくり一堂に

11月29日からSCF・計測展、国際ロボット展が東京ビッグサイトで始まった。コネクテッドインダストリーズに向けて、その基盤を支える計測と制御技術と、実際に仕事をするロボットの最新のコンセプトと技術、製品が数多く出品されている。これからの次世代ものづくり、未来の製造業の仕組みを考える上で、今回はどのあたりを見ればいいのか? その見どころ・ポイントを紹介する。

SCF・計測展 「現場のネットワーク化」注目

SCF・計測展に関して、最も重要なトピックは「製造現場のネットワーク化の動向」。前回に比べ、フィールドとITとの連携、実際の製品を組み合わせたネットワーク構築の事例、そこで実現できるサービス等が具体化されてきた。将来の現場に必要なシステムの全体像をイメージするには最適だ。

制御機器の雄である三菱電機とオムロン、産業用コンピュータ世界トップ企業のアドバンテック、日本のITをリードするNEC、そして日本IBMと日本オラクルという豪華なメンバーで11月に発足したのが、「Edgecross(エッジクロス)コンソーシアム」。生産設備等につないだエッジ領域のコンピュータでデータの一次分析等の処理を行い、必要なデータをクラウドに上げていくという領域に対して協業し、基本ソフトウエアの提供や、その上で動くアプリケーションパッケージなどの提供を予定している。賛同企業として51社が名を連ね、ライバル会社同士、ITとFAの枠を超えたパートナーシップとして今一番注目の団体となっている。

一方、制御機器各社は、AIの活用や、稼働状況の把握、予知保全など、各社の機器を使ったより高度なサービスを実現するコンセプトを発表している。

オムロンは、業界初のAI搭載マシンオートメーションコントローラーを軸に、制御機器からのデータを簡単に収集・分析し活用するためのIoTサービス基盤として「i-BELT」をスタート。安川電機もデジタルデータのマネジメントに力を入れた新コンセプト「i3-Mechatronics(アイキューブ
メカトロニクス)」を始動。生産性向上、高品質の確保・維持、止まらないラインの実現を目指している。三菱電機は従来から引き続いてのe-F@ctoryだが、今年はAIやエッジコンピューティングでより高度化したデモを予定している。

またセンサの動向も外せない。特にセンサレベルのネットワークとして支持が世界的に広がるIO-Linkについて、対応新製品やIO-Linkを使ったアプリケーションを各社が出品する予定。

国際ロボット展 具体例示した実機デモ多数

国際ロボット展に関して、ロボットの需要熱が、従来の自動車や電子機器市場から、三品産業やそれ以外の産業、工程でも溶接や塗装、組み立て以外の検査や搬送、ピッキングやパレタイジング、パッケージングといったロボット未導入の分野に広がっている。さらに、ロボットが単なる興味段階から導入検討のステージに入ってきている。

それに対し各社は、実際の現場での作業を模したアプリケーション展示に力が入っており、SIとの共同ブースや実機デモの割合を増やしている。具体的なアプリケーションの数々と、そこで使われるハンドやビジョン、センサ等の機器の組み合わせに注目だ。

また見るべき製品分野としては3つ。小型の協働ロボットと高度化しているハンドとセンサ。安全柵不要で人と並んで作業できる協働ロボットは、前回は参考出品が多かったが、今回は安川電機、エプソン、デンソーウェーブが発売を開始。先行するファナック、KUKA、ABB、ユニバーサルロボットと合わせ、各社から製品が出そろい、市場の本格化が必至だ。

ハンドとセンサは、この2年で大きな変化を遂げ、ロボットの適用範囲の拡大につながっている。ハンドは、搬送装置で実績のある吸着パッド、2本の指で挟むものや3本指で握りこむタイプなど形はさまざまだが、あらゆる形状に対応しつつある。センサは画像に加え、指先にかかる力の量と方向等を検知し、より精密な制御を可能にする力覚センサに注目だ。

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