IoTで未来を拓くものづくり新時代
第4次産業革命概念からユースケース、実践へ
■196社・953小間出展
日本電機工業会(JEMA)、日本電気制御機器工業会(NECA)、日本電気計測器工業会(JEMIMA)の3工業会合同主催によるオートメーションと計測の先端技術総合展「システムコントロールフェア(SCF)2017/計測展 2017 TOKYO」が、11月29日から12月1日の3日間、東京ビッグサイト(西展示棟1、3、4ホール、アトリウム)で開催される。開場時間は午前10時~午後5時、入場料1000円(事前登録者および招待券持参者、学生は無料)。出展社・団体と小間数は196社・953小間。5万人以上の来場を見込む。
SCFは日本およびアジア地域を代表するファクトリーオートメーション(FA)の総合展示会として、一方の「計測展TOKYO」は国内最大の計測と制御の専門展示会として、各分野の先端技術を発信してきた歴史ある展示会。両展示会はそれぞれの単独開催から始まり、来場者が最新動向を包括的に把握できるようにと同一会場での同時開催を経て、今回は主催の3工業会が連携し、2展合同開催となった。
今回は、新しい潮流をなすICT、IoT・M2M、AI、ビッグデータ活用といった技術と協調・融合した「オートメーションと計測の最先端技術総合展」というコンセプトのもと、「IoTで未来を拓くものづくり新時代」をキャッチフレーズに、前回の「第4次産業革命~つながる化」を継承しつつ、概念からユースケース・実践へと転換が進むIoTものづくりの今の姿を発信する。
実行委員会の秋葉慎一郎組織委員長は、「3月に政府は、わが国の産業が目指す姿を示す『Connected Industries』というコンセプトを発表した。『IoTで未来を拓くものづくり新時代』というキャッチフレーズは、まさに『Connected Industries』に通じ、両展示会の合同開催により、そうしたメッセージをより統一した形でお見せできると考えている」と述べている。
会期中は、最先端の制御システムやソフトウエア、コンポーネント、FA・PA用計測制御機器、環境計測機、計測・制御に関わるソリューションなどを展示。この展示会で新製品や新技術の発表を予定している企業も多く、盛況は必至となっている。
■「バーチャル酒造」デモ展示も
出展ブース以外にも見どころは満載。主催者特別企画「電機・計測エコシステム」では、参加企業の15社がつながり、「バーチャル酒造工場」のデモ展示を行う。また、西ホールの中央に設置するアトリウムステージでは、女子アナウンサーと解説委員によるトークショーを連日上演する。
大学・高専と産業界の交流の場として毎回好評の「テクニカルアカデミー研究発表」では、技術系研究室による展示とプレゼンテーションを開催。今年は過去最大の19研究室が参加し、FAと計測制御技術に加えて、IoT・AI・ロボット等のテーマで発表。最終日にはアトリウムステージにて優れた研究室を表彰する。
さらに、IoT、オープンネットワーク関連の機器・技術・サービスを集中展示するとともに、オートメーションシステムを進化させる最新ツールを紹介する「IoTネットワークゾーン」を今回も設置。「IoTとオープンネットワーク」の関わり、最新事情を紹介するパネル展示も併設する。
加えて、展示会場内(西4ホール)特設セミナー会場では、出展者の最新技術動向について解説する「IoTネットワークゾーン出展者プレゼンテーション」を開催。
29日は招待講演として、KDDI技術統括本部新技術企画担当宇佐見正士理事が、IoT通信インフラの最新動向とパートナー企業との実証実験の取り組みや、今後の展望について語る。そのほか、JEMAによる産業用オープンネットワークFL-netの最新動向、IO-LinkコミュニティジャパンによるIO-Link活用などのプレゼンテーションも予定されている。
■110超のセッション・セミナー
会期中は、あらゆる産業・技術分野従事者に向け、110を超えるセッション・セミナーを開催し、「MONODZUKURI」の最新動向・技術・情報をグローバルに発信する。
29日は、東芝執行役専務・東芝デジタルソリューションズ錦織弘信取締役社長が「デジタルトランスフォーメーションで実現するものづくり新時代」と題し、デジタル化に関する動向と最新事例を自社の取り組みを交えて紹介する基調講演を行う。
また、NECA主催の特別セミナーでは、NECA模倣品対策研究会が「制御機器の模倣対策セミナー」を、NECA環境委員会が「JIS Z 7201(製品含有化学物質管理)改正」「フタル酸エステルの最新動向」の2件の環境セミナーを行う。
30日は、ソラコム松下享平事業企画マネジャー/テクノロジーエバンジェリストによる基調講演「なぜ今IoTなのか? IoTビジネス活用の本質と価値」を開催。なぜ今IoTなのか、基本的な構成要素から技術、そしてビジネスに生かすための本質と、IoTが生み出す価値をIoTビジネス実践事例と共に紹介する。
12月1日は、SIAF特別セッション「中国製造2025の最新事情:広東省の製造業とスマート製造」を実施。広東省自動化学会劉奕華理事長が、先進的な広東省の製造業の特色や25年に向けた製造業の総体目標などについて語る。また、世界ものづくりフォーラム「IoTで未来を拓くものづくり新時代」では、ドイツのエネルギー省および機械工業連盟、米大使館、日本経産省、GEデジタルジャパン、シーメンス、三菱電機、日立製作所が登壇し、日本・ドイツ・アメリカの政府の取り組み・ビジョン、IoTの最新事情とユースケースについてそれぞれ解説する。
そのほか、出展者が企業情報や製品の特徴、ユーザー事例、サポートなどをより詳細にプレゼンテーションするスポンサードセッション・出展者セミナーを81セッション予定している。