前回の主催者特別展示では、「第4次産業革命-つながる化」をテーマにIIoT/Industry4.0の概念や動向を紹介し、コンピューティングパワーとブロードバンドとの革新によって、産業革命と呼べるほどの進化が今後10年ほどの間に引き起こされることを示した。
その後日本では、「Sociaty5.0:超スマート社会を実現し、人々に豊かさをもたらすこと」を目的として、「Connected Industries:人々を中心としたつながりにより、新たな付加価値が創出される産業社会」を目標に、MONODZUKURI付加価値の向上を目指す理念が発信されている。
今回の主催者特別企画では、「IoTで未来を拓くものづくり新時代」をテーマに、「つながる化」のユースケースから実践に向けた事例を紹介する。
FAとPA(プロセスオートメーション)が共存する酒造工場をモデルとし、メーカー間の枠を超えて、新旧・大中小の設備・機械をシームレスにつなぐ「電機・計測エコシステム(e²mc ecosystem)」を、主催者特別展示コーナーとアトリウムステージで披露。会場を「バーチャル酒造工場」と見なし、実行委員会15社の各ブース内の機器を製造現場の機器としてクラウドにつないでデータを送り、それを統合・分析して「見える化」する。
これまで、技術的には各メーカーの機器同士はつなげることができると言われてきたが、それを実行したことはなかった。今回、実行委員会が会場で初めて実証・公開することで、Connected Industriesの基盤である人のつながりと現場データとを源泉として、分け隔てなく機械や設備をつなぐことができる「e²mc ecosystem」を、MONODZUKURIにおける「付加価値の源流=協調領域」として示す。
なお、「e²mc」はelectric、electronics、measurement and controlを略したもので、JEMA/NECA/JEMIMAの3工業会の統一ドメインを表す。