安川電機は、新型ロボットコントローラ「YRC1000」対応ロボットのさらなる充実を狙って、35~600キログラムの中大型可搬質量でハンドリングやスポット溶接、プレス間搬送といった用途向けに、産業用ロボット「MOTOMAN」の全29機種を新たに開発・製品化した。11月7日から順次発売する。
「MOTOMAN」は、従来の最高速度制限を撤廃し、ロボットで出し得る最高速度での動作を実現。また、新たな軌跡制御の採用で誤差を80%向上。テスト運転・プレイバック時も速度変化によらず同じ軌跡で動作する。
従来機種では2本必要だった接続ケーブルを1本に減少(一部機種を除く)し、セットアップ時間を大幅に短縮するとともに、配線の少ないすっきりとした設備を実現。通信線の断線や各軸サーボモータのエンコーダ異常が発生した際には、プログラミングペンダント上にアラームを表示し、さらに、断線時の仮復旧や異常箇所特定のための仮配線を行えるマルチポートが各部位に標準搭載されているため作業時間が短縮できるなど、メンテナンス性にも優れている。
今回発売する中大型機種に対応した「YRC1000」は、省エネ効果を発揮する電源回生機能を標準搭載。特に、ハンドリング用途の大型ロボットでの電源回生効率が高く、省エネに貢献する。加えて、内蔵されている電源変圧回路により、海外電圧(380V~480V)にトランスレスで対応可能となっている。
その他、従来型のスポット溶接電動ガン用サーボモータ(容量:1.5キロW、2.0キロW)に加え、容量2.5キロWのサーボモータを新たに開発。これにより、昨今の自動車ボディの軽量化に伴うハイテン材やアルミ材などの高加圧スポット溶接への対応力が格段に向上する。しかも、新開発のエンコーダの採用により、「SPシリーズ」対応の電動ガン用サーボモータのバッテリーレス化を実現。生産性・メンテナンス性の向上に貢献する。