横河電機とその子会社である横河ソリューションサービス(東京都武蔵野市)は、計測自動制御学会(SICE)が設けている学会賞の「論文賞」「技術賞」、および「国際標準化功績賞」を受賞した。
「論文賞」は、前年12月までの2年間に「計測自動制御学会論文集」「英文論文集(SICE JCMSI)」に掲載された論文(ショート・ペーパーを含む)のうち、学問技術の発展に大きく寄与する論文の著者に贈られ、横河電機の林尚典氏が「無線水素センサの防爆対応」で受賞。水素漏えい検知システムに水素センサを適用するにあたり、工業用無線通信規格ISA100・11aと水晶振動式の無線水素センサと組み合わせることで防爆対応が容易になることを提案し、実用性が高いと評価された。
「技術賞」は、前年12月までの5年間に公表された技術や業績のうち、SICEが関与する科学技術や産業分野の発展に貢献が大きいと認められる技術的業績に対して贈られ、横河ソリューションサービスが「東日本大震災でのDCS復旧対応」で受賞した。同社は、震災からのプラント復旧対応を通じ、分散形制御システムの有効な復旧対策手法やライフサイクル保全の視点から得た今後の対応策について、学会誌や講演で広く情報を発信。工場における今後の保全活動への活用が期待できるとの評価を受けた。
「国際標準化功績賞」は、SICEが関与する分野における国際標準規格の制定に貢献した個人または団体に対して贈られ、横河電機の長谷川敏氏が受賞。同氏はISA100・11aの成立から周知、啓発に努め、石油、石油化学、化学分野への無線センサネットワークの普及に貢献。また、ISA100 Wireless Compliance Instituteの設立を主導し、講演会やセミナーの開催、認証テストプログラムの整備にも尽力した功績が評価された。