安川電機と日東精工は、多関節ロボットとねじ締めドライバを融合させた「ねじ締め自動化装置」を共同開発した。2018年に製品化する予定。
同装置は、安川電機の多関節ロボット「MOTOMAN」の先端ツールに日東精工のねじ締めツール部を取り付け、ドライバ部のACサーボモータ(安川電機)をロボットコントローラにて一括制御。ねじ供給は、日東精工の直進式ねじフィーダ「FF503H」(取り出し仕様)を使用している。
ロボットが持つ位置情報とねじ締めドライバが持つトルク情報を組み合わせることにより、ロボットがリアルタイムにねじの締め付け品質を把握。従来は検知が難しかったタップ(雌ねじ)の加工不良や、長さ違いのねじ混入による締め付けミスを検知し、その場でリトライすることができる。
また、得られた情報を上位システムへアップロードすることにより、工場全体のねじ締め品質を見える化し、一元管理することも可能。さらに、ロボットとねじ締めドライバの操作系統を一本化することで、ロボットのペンダントから双方の動作パラメータを簡単に設定することが可能となり、セットアップ時間を短縮できる。
両社では、このハード面とソフト面を融合させた同装置の開発により、ねじ締め作業をよりインテリジェントにするとともに、データマネジメントを可能にするソリューションを提供するとしている。
安川電機は、「i³-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」の新コンセプトのもと、既存のハード面でのソリューション提供に加え、データ活用による生産性の向上、高い品質の確保・維持、そして止まらないラインの実現といったソフト面での製品力を拡充し、生産現場において新しいトータルソリューションの提供を目指している。
一方、日東精工は、中期経営計画「日東パワーアッププランFINAL」で事業力の強化を掲げており、同社の強みである締結におけるソリューション力を最大限に生かしたビジネスエリアの拡充を進めている。