オムロンと通信・ネットワーク大手のシスコシステムズは、セキュリティ機能を搭載したPLCの開発で技術提携することを発表した。
オムロンはものづくり革新コンセプトとして制御の進化と知能化、人と機械の協調を柱とする「i-Automation」を掲げ、そのなかでも特に製造現場に特化したIoTプラットフォーム「i-BELT」を提供している。FAとITの接続が進むなかi-BELTを構築するためには人と機械とデータが相互に安全で信頼であることの担保が必要となる。そこでセキュリティ対応のレベルアップが必要となり、今回の提携に至った。
今回の技術提携では、人と機器、やりとりされるデータの3つに対してPLC自身がセキュリティ認証をする環境づくりを行う。
オムロンのPLC「NXシリーズ」にシスコの次世代エンベデッドサービスルータであるESRを搭載してセキュリティ機能搭載のPLCを実現。人に対しては、PLCに接続するユーザーを認証し、正規ユーザーだけ接続できるようにするVPNを提供し、アクセスする人の明確化と不正なアクセスを排除。
機器に関しては、認証以外の機器の接続を検知すると警報を通知。さらに接続し続けてデータアクセスをしようとするとその通信をブロックし、不正な機器からのアクセスを保護する。
データについては、通常状態もネットワークに流れるデータの詳細を監視・可視化しておき、不正な通信やネットワーク異常を検知・記録する。いずれもアクセス可能な人や機器、データをリスト化しておき、それ以外からのアクセスを遮断するホワイトリストを採用している。
これに関連し、同社のNJシリーズにOPC UAを標準搭載したモデルを2018年から発売。今後、ESR搭載のPLC商用化に向けて開発していく。