ルネサス エレクトロニクスは、生産設備や機械に後付けするだけで、センサデータの収集から加工、分析、評価/判定までの一連のプロセスを容易に実現し、異常検知や予知保全に即時役立てることができる「AIユニットソリューション」の提供を開始した。
新ソリューションは、「AIユニット」と呼ぶハードウエア開発のためのリファレンスデザインと、AI処理を実現するソフトウエアで構成。ユーザーはプログラミングをすることなく、AIユニットに学習済みニューラルネットワークモデルを1日程度の短期間で組み込むことが可能で、異常検知や予知保全などに即時活用することができる。
サーバやクラウドと通信することなく、リアルタイムにAIの判定結果を機械へフィードバックするため、異常検知や予知保全の精度が高まり、生産性を大幅に向上。また、データ量の多い振動センシングなどを実施する際にも、広い帯域のネットワークは不要となっている。
同ソリューションは、ルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリング那珂工場(茨城県ひたちなか市)での、2年間にわたる実証実験の経験とノウハウに基づき開発。実証実験では、AIユニットの試作機をエンドポイントの半導体製造装置に取り付け、従来と比較して20倍の高速サンプリング速度でデータを取得し、AIによる分析を行うことによって、広い帯域のネットワークを用意することなく、異常検知の精度を6倍以上に高めることに成功している。