国内最大・最先端のマシンビジョンが集う「国際画像機器展2017」(主催=日本画像・計測機器協議会)が、12月6日~8日までの3日間、パシフィコ横浜(ホールD)で開催される。開場時間は午前10時~午後5時。入場無料(Webでの事前登録制)。また、会期中は「ビジュアルメディアExpo2017」を同時開催する。
「ディープラーニング」特別展示
画像認識などに応用されるAI技術、特に「ディープラーニング」は、日本の製造業のさらなる成長を促す技術として、近年、急速に関心が高まっている。
同展示会は、画像に関するあらゆる機器およびシステム、メディアを一堂に会した専門展示会で、国内外の主要なマシンビジョン関連団体協賛のもと、「国内最大のマシンビジョンの展示会」として、新規顧客獲得、新たなビジネスパートナーとの出会い、市場ニーズをつかむ情報交換の場となっている。
今回は、画像分野で注目されるロボットビジョン、メディカル、セキュリティ、3次元、ITS、インフラ整備といったテーマでゾーンや特別コーナーを設置し、画像処理技術のさらなる展開を紹介するほか、近年の自然災害、オリンピック招致などにより需要が高まる「インフラ整備」に加え、新たに「ディープラーニング」をキーワードとした特別コーナーを設置。活用が期待される技術を全面に出した展示を行う。
主な展示内容は、光源(各種画像入力用照明機器)、入力装置(各種カメラ、レンズ、入出力ボードほか)、画像処理機器およびソフトウエア(各種画像処理機器、画像解析システム、画像処理ボード、画像処理ソフトウエア)、出力装置(各種ディスプレイ装置、各種ハードコピー機器)、画像記録・圧縮装置(画像保存システム、画像圧縮装置/ソフトウエア、ディスクレコーダー)、画像伝送機器(遠隔監視システム、TV会議システム、通信ボード)など。
会期中は、来場者の疑問に答える「技術相談コーナー」を会場内に設置。日本映像処理研究会、出展社有志が協力し、ボランティア相談員として中立な立場で回答する。
「ビジュアルExpo」同時開催
「ビジュアルメディアExpo2017」は、ビジュアルメディアに特化した専門展示会で、「国際画像機器展」と同時開催することにより、映像制作、ものづくりの現場に欠かせない技術やデバイスをも網羅し、新たなコラボレーションへも結びつく展示会として、エンターテインメント、アミューズメント、広告をはじめ、医療、建設、教育、さらに活用の場が広がる製造業といった分野へもアプローチする。
主な展示内容は、3D映像を含む映像・システム、超高精細4K/8K映像表示装置、デジタルサイネージ、3D計測・3Dプリンター、クラウドサービスなど。
会期中は、新たな切り口やアイデアの組み合わせで映像コンテンツを紹介する「ビジュアルコンテンツコーナー」を開設し、VR/AR、4K/8K、インタラクティブサイネージ、プロジェクションマッピングなど、さまざまな表現技術が体感できる場を提供する。
40講演以上のセミナーも
ロボットビジョン、ディープラーニングをはじめ、展示内容に関連する各分野の市場動向や話題のキーワードを取り上げる「国際画像セミナー」では、日本映像処理研究会(IAJ)/産業開発機構、日本インダストリアルイメージング協会(JIIA)協力のもと、今回も40講演以上のセミナーを開催する。
6日は、産業用カメラを活用し、ものづくりの合理化・省力化を実現したいと考えているユーザーに向け、イマジオムが「高性能化・低価格化の進む産業用カメラ~ものづくり現場での活用ポイント~」を講演。
また、「インフラ整備・IoT」の観点から、コマツ「コマツのスマートコンストラクションによる建設現場の生産性向上」を特別招待講演として実施。建設業の人手不足が深刻化しているなか、建設現場の生産性・安全性の向上を実現するために、ICT導入による現場の見える化など、建機メーカーであるコマツの取り組みを紹介する。
7日は、オムロンが「AI・ディープラーニング」の観点から、特別招待講演「画像センシングからみたAI技術への期待」を行うほか、リンクスが「ディープラーニング、波長、3次元-多様化が加速するマシンビジョンの世界。」を、キヤノンITソリューションズが「マシンビジョンシステムの性能改善に向けた開発技術トレンド~カメラ選定から最新画像処理技術、多変量分析による最適化まで~」をそれぞれ講演。両講演とも、これから画像処理を始めたい人、最新の製品について知りたい人にとって必聴の内容となっている。
8日は、MECHATROLINK協会(MMA)が登壇。JIIA特別招待講演「IoTとの連携による見える化の実現-MECHATROLINK-Ⅲ/ビジョンシステムへ適用について-」を行う。JIIAとMMAは2017年4月に「次世代ビジョンネットワーク準備部会」を設立、ビジョンのフィールドネットワーク接続事業において協業しており、講演では、その概要と成果について解説する。
そのほか、中京大学橋本学工学部長が「ロボットビジョン・AI」の観点から、「ロボットビジョンの現状と展望~生産・物流から生活支援まで~」を講演。3次元データ処理を前提に、特定物体認識と一般物体認識の両面から課題を整理し、最新技術を紹介する。