日本テキサスインスツルメンツは、FA・スマートファクトリーに向けた同社の取り組みについて発表した。ファクトリー・オートメーション&コントロール部門担当ジェネラル・マネージャのミロ・アジャン氏が来日し、産業界の変化に半導体の進化が大きく貢献してきたことを紹介し、同社の強みとしてアナログ半導体と組み込み製品の豊富な製品群と、各業界に秀でた技術者、世界中の製造・供給拠点、2000を超えるテスト済みのレファレンスモデルを持っていることを挙げた。
アジャン氏は現在起きている工場の変化について、従来の工場はピラミッド型の階層構造となっており、情報を集約して一元管理するのが基本であると説明。しかし未来の姿は、製造装置それぞれが知能化し、会話できることにより、有機的につながり、柔軟な構造へと変化すると予測。それにより半導体や産業機器はスマート化し、システムが複雑になることを指摘し、それらの開発効率を上げるためには、標準化や互換性、幅広い製品とソリューション、簡単に接続して稼働できるプラグ&プレイ、製品自体の低消費電力化や小型化が必要だとした。
それに対し同社は、2000を超えるシステムレファレンスデザインを提供することで開発者を支援。回路図やテストデータ、デザインファイルも公開している。例えばセンサネットワークを支える標準的な通信規格となっているIO-Linkについても、超小型温度センサやサージ保護内蔵通信モジュールなど13のレファレンスデザインを提供していることを紹介した。
またアナログ半導体と組み込みプロセッサについて、シングルプロセッサプラットフォームとして「Sitara」を展開。自動運転に使われるミリ波センサ製品やロボット向け各種センサ、産業機器の通信機能向けプロセッサなど豊富な製品群をそろえ、SDKも提供している。また通信用マイコンとして「SimpleLink」を展開し、設計の簡素化を支援していると強調した。