800超の企業・団体が出展
世界最大級のエレクトロニクス製造サプライチェーン総合展示会「SEMICON Japan(セミコン・ジャパン)2017」(主催=SEMI)が12月13日~15日までの3日間、東京ビッグサイト(東展示棟、会議棟)で開催される。開場時間は午前10時~午後5時。入場は無料(事前登録制)。前回を上回る800超の企業・団体が出展し、半導体の最新情報を発信するほか、さまざまな交流の場を提供することで、新たなビジネスの出会いと成長機会を創出する。
“ドローン散歩”で新しい世界体感
「SEMICON Japan」は、半導体製造装置・材料の前工程から後工程までの全てを網羅する国内唯一の大規模国際展示会で、41回目となる今回の開催テーマは「マジックが起きる。」。
エレクトロニクス製造サプライチェーンは、今まさに変化と成長のなかにあり、世界を包むスマート化の潮流はとどまることを知らず、また、サプライチェーンの地理的変化、とくに中国での巨大な半導体製造投資も、これまでの業界地図を完全に作り変えるエネルギーとなっている。今までの常識は崩れ去り、あらゆるものがコネクトする可能性を秘めた時代。そこでは、想像もしなかった新たな成長機会、マジックが起きる-開催テーマには、そのような思いが込められている。
会場は、エレクトロニクスデバイスの製造を、設計から、ウェーハ製造、ウェーハプロセスまでの製品とサービスを扱う前工程、製造の後工程、あるいは前工程と後工程にまたがる製品とサービスを扱う後工程・総合、部品・材料にゾーニングし、その全容を余すことなく展示。さらには、会場全体に配置された特別展、企画展示、パビリオンから注目市場・技術にスポットライトをあて、ステージからは最新技術動向を発信する。
14年から同時開催をしている特別展「WORLD OF IOT」は、多岐にわたるIoTの世界全体を俯瞰できる総合イベントとして、毎年規模を拡大。スマート社会のエンジンとなるIoTの発展をリードするプレイヤーが国内外から参加し、スマートファクトリー/スマートマニュファクチャリング、MEMS/センサー、モバイル/ネットワークス、ソフトウエア、セキュリティ、パワーデバイスなどのIoTを実現するための技術/ソリューションと、自動車/カーエレクトロニクス、ヘルスケア、ロボット、ウェアラブル機器、モバイル機器、3DプリンターなどのIoTシステム/アプリケーションを展示する。
注目は、主催者企画のドローン展示「All about Drones」。半導体センサーのかたまりともいえるドローンの分解部品の展示やセミナーに加え、ドローンが撮影した風景をVR映像で鑑賞する「ドローンに乗って空中散歩」や操縦体験など、ドローンを身近に感じ、半導体の新たな、そして楽しい世界を体感できる機会を提供する。
パビリオン・企画展示では、中小企業や新規産業企業のイノベーティブな製品や技術を紹介する「製造イノベーションパビリオン」、小口径ラインの再活用を支える中古装置市場のプレイヤーが出展する「中古装置パビリオン」、ミニマルファブ技術研究組合員による少量生産ソリューションを展示する「ミニマルファブパビリオン」、パワーデバイス等で注目される化合物半導体製造技術を紹介する「化合物半導体パビリオン」などを設置。
地域パビリオンには、アメリカ、オランダ、ドイツ、モスクワ、東北、九州の3カ国・3地域が出展。グローバルな業界との交流を促進する。
育成・ビジネス機会創出の場も提供
また、同展示会では、人材育成や新たなビジネス機会を創出する場を提供することを目的としたイベントを開催する。
前回、第40回記念事業として行われた「MIRAI GAKKO」を今回も実施。未来に向かって進む人を応援し、次世代を担う人材を育成することを目的とした同イベントは、学生、スタートアップ、幅広い業種の若手が集まり、異業種の仲間とのグループ討議Hackathonや、大学や高専による研究開発の展示・研究発表、若手社員/学生向けセミナー、学生、若手社員、ベンチャーの交流会などを行う。
同様に、15年に初開催し、前回、前々回とも大好評を得ている「INNOVATION VILLAGE」を引き続き実施。テック系スタートアップ企業がパネル展示、ステージでのプレゼンテーション(ピッチ)、そしてレセプション(ミートアップ)を通して、半導体業界のVC、技術パートナーにアピール。企業家や創業間もない企業の新しい発想と活力を業界につなぎ、投資機会や戦略的な技術、ビジネスパートナーとのネットワーク構築の機会を提供する。
エグゼクティブ来場連日セミナー
会期中は、業界のエグゼクティブやエキスパートが業界の今とその先を語るセミナーを、バラエティに富んだラインアップで開催する。
「SuperTHEATER(スーパーシアター)」では、現在そして将来のマイクロエレクトロニクス・サプライチェーンに新たな視座を提供するため、グローバルエグゼクティブが登壇。モバイル技術や、IoTの拡大浸透によって創出される新市場など、9つのテーマについて語る。
13日の「SEMIマーケットフォーラム 中国半導体産業の光と影」では、SEMI中国プレジデント、台湾シニアマネジャー等が、中国半導体産業の光と影の中で、各社がビジネス戦略を立てるために有用な予測と見解を提供する。
14日の「IoTグローバルトレンドフォーラム 半導体が実現する超IoT世界」では、「スマート」で「コネクテッド」な世界を実現するため、世界で圧倒的な技術力を誇るグローバル企業のアーム、インテル、ソニーのエグゼクティブが、未来を見据えた技術展望を披露する。
15日の「製造イノベーションフォーラム 多様化する未来を支える製造技術」では、東京エレクトロン取締役相談役、ザイリンクスシニアディレクター、ラムリサーチエクゼクティブヴァイスプレジデントが登壇。グローバルな製造装置各社のトップエグゼクティブが、多様化する半導体製造のブレークスルー技術と成長戦略を展望する。
展示会場内に設けられた3つの講演ステージ「TechSTAGE」では、全3ステージ・27のセッションで国内外問わず最新の技術トレンドを紹介。同SOUTHでは、後工程、部品材料関連の技術セミナーや、Hakathonの発表など「MIRAI GAKKO」のプログラムを、同INNOVATION&IoTでは、IoT関連セミナーや、「INNOVATION VILLAGE」のピッチコンテストを、同NORTHでは、前工程関連の技術セミナーや、フレキシブルハイブリッドエレクトロニクスのプログラムを開催する。
そのほか、3つの「TechSPOT」では、展示ブースからだけでは得られない、出展者の製品や技術の情報を提供。同EXHIBITOR SEMINARSでは出展者セミナーを、同WESTでは製造イノベーション、中古装置、化合物半導体、ミニマルファブの各パビリオンと、地域パビリオンの出展者の講演を、同INNOVATION&IoTでは「WORLD OF IOT」の出展者の講演をそれぞれ実施する。