ロボットの普及スピードを上げるためには、導入ハードルを下げる必要がある。コストやエンジニアリングはもちろんだが、最も高いハードルとなっているのが「ティーチング」と呼ばれるロボットに動作を教え込む教示作業。今回のロボット展ではそれを解決するための技術提案が目立った。
ロボットメーカー各社は、ロボット本体を手で動かして軌跡を覚えさせるダイレクトティーチングに対応した製品を出品。特に、これまでロボットを使ってこなかった産業や工程、中小企業向けに関心が高まっている協働ロボットで、簡単に教示作業ができるといううたい文句をもとに、実際に実機で体験してもらうデモが多く見られた。協働ロボットで先行するファナックやユニバーサルロボットをはじめ、新たに協働ロボットを発売した安川電機や不二越などでも簡単ティーチングをアピールしていた。
また今回はダイレクトティーチングも進化し、KUKAロボティクスは、ハンドの付け根にティーチングデバイスを取り付けるだけで、ダイレクトティーチング非対応の機種でもダイレクトティーチングが可能になる「KUKA Ready2 Pilot」を展示した。
開発中の参考出品として協働ロボットを展示した三菱電機では、KUKAと同じく専用デバイスを使ったダイレクトティーチングの様子をデモ。専用デバイスは操作パネルを備え、インチングと呼ばれる細かな座標設定ができるようになっている。大まかな作業はダイレクトティーチングで、詳細設定は専用デバイスで行うことで、ティーチングペンダントやプログラミングがいらないことを訴求していた。
一方、JBMの「OCTPUZ」、ゼネテックの「Robotmaster」といったパソコンのソフトウエア上でティーチングができるオフラインティーチングも賑わいを見せていた。