いざロボットを使ってみたいと思っても、複数あるロボットメーカーの多くの製品群のなかから本体を選び、さらにエンドツールやビジョンといった関連機器を合わせていく必要があり、導入企業にとってハードルは高め。それに対し、KUKAロボティクスでは、用途に合わせて本体と関連機器・ソフトなどがパッケージとなった「KUKA Ready2 use」を提供し、ロボットで効率化したいという企業をサポートしている。
KUKA Ready2 useは、取り付けや記録、テストを実施し、ロボット本体と関連機器を相互調整済みの製品で構成されたアプリケーションパッケージ。ロボット専業で世界トップメーカーの同社と、そのパートナーであるシステムインテグレータが培ってきた自動化のノウハウを詰め込んである。
現在、提供しているのは12のアプリケーション。ハンドリングのためのgrip、塗装工程向けのspray、アーク溶接用のarc、スポット溶接のspot、ロボット教育やアカデミー向けのeducate、ティーチングのためのpilot、エレクトロニクス業界向けのfasten micro、Powerlink接続を簡単にするpowerlink、計測システム向けのOccubot、組み立て製造業向けのassemble、フレキシブルなハンドリングのためのhandle、機械へのワーク供給のloadとなっている。
■ハンドリング向け KUKA ready2 grip
中小企業の製造現場でハンドリング用途のニーズは高いにも関わらず、ハンドの選定の難しさが普及のハードルになっている。ハンドを扱うメーカーやSIもあるが、大抵の場合が一品一様で、標準化されたものはほとんどなかった。それに対し、KUKA ready2 gripは、小型で機敏なKR AGILUSに最新のグリッパーが完全に装備された状態のハンドリング用パッケージとして提供している。
■塗装工程向け KUKA ready2 spray
塗装は、加飾だけでなく防錆や防傷など高機能化できるものとして、あらゆる製品の下処理や仕上げ工程として欠かせない。そこでは自動車など大型のワークに対しては塗装ロボットが使われているが、小型のワークではいまだに作業員がスプレーガンなどを使って手作業で行う例が多い。
そこで同社は、塗装ロボットや塗装機器の世界トップメーカーであるDurr(デュール)社と協力し、KUKA ready2 sprayとして、KR AGILUS sixxのKR10R1100EX2GロボットにDurr社の1K/2K塗装アプリケーションをセットにしている。市場リーダー2社のコラボにより、素早い稼働開始と高いコストパフォーマンス、グローバルサポートなどを提供している。
■ティーチングをより簡単に KUKA ready2 pilot
ロボットを使いこなす上で最も高いハードルとなるのがティーチング、いわゆるロボットに動作を覚え込ませる教示作業である。これからロボットを導入する新しい業界はもちろん、すでにロボットを使っている自動車産業、消費財または樹脂産業でも簡単に操作できるロボットに対して高い需要がある。
それに対して同社は、ハンドの付け根に6Dマウスのティーチングデバイスを取り付けるだけでダイレクトティーチングが可能になるKUKA ready2 pilotを提供している。
通常のロボットのティーチングはティーチングプログラムを組む、ロボットペンダントで教示作業を行うが、KUKA ready2 pilotを使えば、始めに手で動かした軌跡をロボットが覚えて自動でプログラム化する。小型ロボットから可搬重量が大きな大型ロボットまで対応している。