エレファンテック(旧AgIC、東京都文京区)は、主力製品であるインクジェット印刷フレキシブル基板「P-Flex」について、ベースフィルムの厚みを125μメートルから50μメートルに薄型化した製品を12月11日から発売した。
新製品は、独自の製造技術の進歩により、従来の2分の1以上薄型化した50μメートルのフィルム上へのパターン形成が可能。基材厚は一般的なフレキシブル基板(FPC)よりは依然として厚いものの、接着層が無く、金属、ソルダレジストを直接印刷する形式であるため、基板総厚は同程度の73μメートルとなり、繰り返し折り曲げるような用途でも利用可能となっている。
耐屈曲性は、R5ミリでの摺動試験で繰り返し屈曲回数30万回以上と、これまでの150倍以上を達成。最小曲げ半径は0.5ミリで、これまでの10分の1の曲げ半径での対応が可能だが、条件次第では、より多くの屈曲回数、より小さいRにも対応できる。
「P-Flex」は、必要な部分にのみインクジェットで金属ナノ粒子を印刷し、無電解めっき技術で金属を成長させる、同社が開発した「ピュアアディティブ法」で製造されたFPC。インクジェットによって金属を印刷するため「型」「版」が一切必要なく、開発、量産試作、量産、量産後の図面のアップデートにこれまで都度必要だった型代とリードタイムを削減し、プロダクトライフサイクル全体でのコスト・リードタイムの圧縮に貢献する。