横河電機は、統合生産制御システム「CENTUM VP」や安全計装システム「ProSafe-RS」の入出力装置を格納する、屋外に設置可能なリモートIOキャビネット「N-IO フィールドエンクロージャ」と、制御システムの「仮想化ソリューション」を開発した。同キャビネットは2018年2月、同システムは5月に発売予定で、価格は500万円、販売目標は18年度1500システム。
操作監視PCの削減提案
同社では、制御システムのプロジェクトを円滑に遂行するため、フィールド入出力装置「N-IO(Network IO)」をラインアップ。同装置は1台で多様な入出力信号に対応するモジュールを搭載しており、アナログ、デジタル信号に関して点ごとに信号の種類をソフトウエアで設定できる。
今回、さらにプロジェクトの遂行機能を強化するため、屋外に設置可能な、標準化した「N-IO」を格納するキャビネットを開発。従来のキャビネットは室内用が多く、屋外に設置するには防塵・防滴の製品を個別に設計する必要があったが、新製品は、個別設計が不要で設計工数を大幅に削減できるうえ、対応する信号の種類をソフトウエアで設定できるため、工場からユーザーへの直接配送が可能となり、工期短縮にも貢献する。
また、仮想環境を構築するために必要なハードウエアとソフトウエアをプラットフォームとして提供することで、制御システムの構成に必要な操作監視用などのPCの台数を削減。仮想化されたサーバー環境では、それぞれを適切なタイミングで拡張、更新することが可能となる。
さらに、初期導入時には、実際に利用するハードウエアとは別のマシンを利用してエンジニアリングやソフトウエアの工場受け入れ試験を実施。ユーザーには直接ハードウエアを配送し、エンジニアリング済みのソフトウエアをインストールすることで工期を短縮。プロジェクト遂行の遅延リスクを低減する。