あけましておめでとうございます。
年頭に際し、所見を述べさせていただきます。
昨年の世界経済は、欧米をはじめとする先進国は引続き好調に推移し、中国においては政府による経済対策の効果が見られ、総じて拡大基調で推移しました。一方で、ポピュリズムや保護主義の流れ、及びシリア情勢の悪化や北朝鮮の核開発問題などの地政学リスクの高まりにより、先行きに対する不透明感が高まりました。日本に目を向けますと、海外経済の回復などを背景として輸出や生産が好調に推移する中、経済は緩やかに回復しました。さらに、世界的な好景気と好調な企業業績を背景に、日経平均株価がバブル経済崩壊後の戻り高値を更新し、約26年ぶりの高水準となるなど、今後の持続的な成長へと弾みがついた1年となりました。
世界経済の先行きに対する不透明感が高まる中、AI、IoTなどの高度情報技術による繋がりやロボットを活用した仕組みが進展し、私たちのビジネスチャンスは広がっています。一方で、それらのテクノロジーを武器に新市場を創り出すIT企業が世界の株式時価総額の上位を占め、その一角が既存の小売業を席巻し、業態自体に急激な変化を迫るなど、私たちを取り巻く環境は凄まじいスピードで変化しています。しかしながら、日本の製品やサービスは品質や信頼が高い分、それらを世に出すまでの時間がかかり過ぎるため、ややもすると、変化を起こすどころか、その波に乗り遅れる可能性すらあるかもしれません。
したがって日本の製造業に求められることは、変化に怯むことなく、私たちの「強み」である高付加価値な製品力に新しい技術や仕組みを積極的に取り入れることにより、ダイナミックなイノベーションを大胆なスピードをもって成し遂げることと考えます。
これらを実現できれば、必ずや私たちはグローバル競争の中で打ち勝ち、世界の製造業を引き続き牽引していくことができるものと考えております。従いまして、当工業会といたしましても、会員の皆様と強い信念を共有するとともに、これまで以上に連携を深め、日本の製造業の発展に寄与できますよう、積極的な活動を展開してまいる所存です。
最後になりましたが、会員企業様の益々のご発展と皆様のご健勝とご多幸を心より祈念し、年頭の挨拶とさせていただきます。