新年あけましておめでとうございます。CIAJ会長の沖電気工業 川崎でございます。
2018年の年頭にあたりまして、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
思い返しますと、昨年は1月に大相撲初場所で優勝した稀勢の里が日本人出身力士として第72代横綱につくという明るいニュースから幕を開けました。また、6月には14歳の将棋棋士の藤井聡太四段が29連勝という快挙を達成しました。また、9月には秋篠宮眞子様のご婚約の内定が発表されました。このような明るいニュースの一方で、世界では保護主義の台頭や地政学的リスクの増大など懸念事項も増えています。
このような世界的な問題を打破していくために、15年9月に国連サミットにおいて国連の全加盟国(193国)により「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs(エスディージーズ))」が採択されました。SDGsは16年~30年に国際社会が協働して取り組むべき地球規模の開発課題であり、企業にとっては大きなビジネスチャンスにもつながるものです。
SDGsを達成する上で、日本は少子高齢化や自然災害、医療費高騰などの諸課題を世界に先駆けて経験する立場にあります。これまで培ってきたICT技術の経験や知見と共に、国内外の様々な業界を超えた共創イノベーションに取り組み、Society5.0「超スマート社会」を構築していく事が非常に重要であります。Society5.0を実現する上で、ICT産業は情報通信に関する技術や製品を通じて、多くの産業の横串となるインフラを提供します。
しかし、社会課題の全てをICTで解決できる訳ではありません。例えば、IoTや人工知能AIの応用として自動運転などが期待されています。自動運転を実用化するためには、技術の信頼性を高めるだけではなく、法的整備なども並行に進めることで社会的受容性を醸成することが重要です。そのためには、自動車や流通、医療など様々な業界の連携が必要になります。
CIAJは、ICT業界の代表として、様々な業界の「繋ぎ役」になっていきたいと思います。
業界の連携のためには、具体的な実証を重ねていくことが必要です。Society5.0の実証として期待されているのが20年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピック競技大会です。本大会の開催まで、900日余りになりました。
都市サービスの高度化、5Gショーケース、セキュリティをはじめとする安全・安心な社会インフラによる大会運営など、世界最先端のICTを活用したSociety5.0「超スマート社会」の姿を世界の人々に見ていただく最良の機会としていこうではありませんか。
さて、CIAJは1948年(昭和23年)に有線機械工業会として発足以来、ICT産業の発展に向けた政策要望・意見発信、業界共通課題の解決などに取り組んでまいりました。昨年は、CIAJの在り方を今一度見直す検討を行いました。その結果を踏まえて18年度は、さらにはその先に向けて、ICT産業はもとより、他の産業分野や、関係省庁様、通信事業者様等のステークホルダーの方々との共創によるイノベーションに取組み、ICT産業の成長と国民の生活向上に、しっかりと貢献できるよう活動していく決意を新たにしているところでございます。
皆様にとりましても本年が明るく実り多い年となりますことを心から祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。