【2018年年頭所感】コンピュータソフトウェア協会 会長 荻原紀男「投資及び人材育成の進展を」

新年あけましておめでとうございます。皆様には、平素より協会の事業・活動に対し格段のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。2018年の年頭にあたりご挨拶申し上げます。

昨年、政府は3月に我が国産業が目指す姿(コンセプト)として「Connected Industries」、6月にSociety 5.0の実現に向けた改革に向けた「未未来投資戦略2017」(FinTechの推進、データ利活用基盤の構築等)を公表し、衆議院選挙後の11月に、政策の基本方針として、人生100年を見据えた「人づくり改革」の断行、「一億総活躍」社会の実現(働き方改革、GDP600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロ)などを閣議決定しました。

以上のような動向を踏まえ、当協会も新たな取り組みを始めました。まず、当協会からのセキュリティ分野の人材育成に関する政策提言を受け、昨年7月に経済産業省が「第4次産業革命スキル習得講座認定制度」を創設しました。認定を受けた講座は厚生労働省の指定を受ければ、受講料の最大7割を助成して頂けるものですが、当協会会員企業からのセキュリティ分野の申請が第1号として認定される予定です。また、データ消去証明推進研究会が昨年6月に公表した「データ消去証明ガイドブック」に基づき、当協会はADEC(データ適正消去実行証明協議会:Association of Data Erase Certification)を今年設立し、使い終わったPCなどに残ったデータの適正消去について第三者が証明し、電子証明書を発行する事業を開始する予定です。

さらにConnected Industriesの推進のためには、IoT(Internet of Things)、ビッグデータ、及び人工知能(AI)の中核技術を学びつつ新たなビジネスの創造を行える人材の育成が重要です。当協会では昨年7月から厚生労働省の支援を得て、人材委員会、人材育成研究会、人工知能(AI)技術研究会、IoT推進研究会と連携して、当該人材を育成するための講座を開発する「高度IT技術を活用したビジネス創造プログラム」に着手するとともに、18年度は同講座を試行的に実施(受講者40人程度/年)する予定です。

また、会員から当協会へのニーズとして最も高いものは全ての会員に裨益する政策提言ですが、当協会では政策委員会の下、次のWGが設置されました。税制改正WGの活動は18年度Connected Industries税制に反映されるとともに、中小企業IT活用支援WGは17年度補正予算に計上されたIT導入補助金の一層の浸透・拡大のための運用改善に貢献しています。

次世代のIT人材の発掘・育成を目指したU-22プログラミングコンテストの一層拡大に努めながら実施するとともに、IoTラボセレクション及びIPA未踏事業と連携し、革新的なソフトウェアを開発する起業家を育てるスタートアップ支援事業などを通じて、我が国におけるプログラミング人材の育成に貢献していきます。

Connected Industriesを実現する鍵は、それを牽引する人材の育成及びデータ連携・利活用の推進に対して、政府及びIT業界一丸となって取り組むことと考えます。そのため日本IT団体連盟を始めとする他のIT関係団体と連携し、今後とも当協会の各種事業・活動を着実に推進していきたいと考えています。

また、日本IT団体連盟の動きに呼応するよう、この2月からIT社会推進政治連盟を立ち上げます。我が国の更なる発展のためにはIT社会に即応した関係諸制度の整備や教育変革による人材育成が急務です。そのためには多くの国会議員の皆様にご理解いただくとともに課題の解決のためにご尽力いただく必要があります。

最後になりましたが、当協会は、経済産業省、総務省、厚生労働省、文部科学省、農林水産省等の政府機関と共に、日本のソフトウェア産業の健全な発展と日本経済の発展に寄与していきたいと考えておりますので、引き続き皆様のご支援及びご協力をよろしくお願い申し上げて新年のごあいさつとさせて頂きます。

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