代表取締役社長 富田周敬
2018年3月期の業績は、売上高が前年度比約14%増の115億円、営業利益が同約66%増の7億円ぐらいが見込まれる。前年度に初めて売上高100億円を突破することができたが、2年連続で過去最高の業績になりそうだ。この好調を維持できれば、現在進めている新5カ年中期経営計画「DREAM2020」の20年度売上高120億円も前倒しで達成できるかもしれない。
好調な要因は、工場の自動化投資、エアコンや素材関連向けでの旺盛な需要で、DIPスイッチなどの産業用スイッチや端子台の販売が伸びていることが大きい。アルミ加工も、電子タバコやスマホ、テレビ向けなど筺体として販売が増えており、今期は30億円、来年は40億~50億円にまで拡大するかもしれない。
このため、将来に備えた生産能力増強に向けて、中国・広東省江門に新工場用地を確保した。現在の深工場の約1.5倍の約7万平方メートルの広さがあり、18年末に一部でも稼働を始めたいと考えている。新工場ではスイッチ生産やアルミ加工などを計画しているが、中国での自動化設備需要が旺盛なことから、中国国内での供給責任を果たすための先行投資である。
18年度は、中国(深圳、無錫)、タイ、マレーシア、韓国の5つの拠点工場の自動化生産を、自社の技術を使いながらさらに進めるとともに、各工場の最適化によってリードタイム短縮、物流コスト低減、為替リスク解消、輸入関税不要といった総合的なスケールメリットを強調しながら、業界のコストリーダーになる取り組みを強めていきたい。これにより、単にモノを作るだけの会社ではなく、「製造サービス業化」を進めることで、顧客の役に立ちたい。19年3月期はこうした施策で売上高を、約13%増の130億円を目指したいと考えている。