代表取締役社長 島村一郎
2018年3月期の売り上げは、上期は前年度比とほぼ同じぐらい推移していたが、下期になって受注が増えはじめて前年度を上回っており、現在は生産能力一杯の状況で推移している。一部の製品では部材の入手が難しくなっているものも出てきている。半導体製造装置関連向けの需要が非常に好調なのが大きな要因で、サイリスタ、温度調節器、センサなどの売り上げは伸びている。
全体売り上げの約35%を占める海外販売もアジア、とくに中国市場を中心に温度調節器などで競争が激しいものの、好調に展開できている。このままの状況でいくと、今期は5%増ぐらいの売り上げが見込めそうだ。
新製品として、調節計とサイリスタ式電力調節器をコンパクトに収めた「卓上型温度調節装置DSTシリーズ(3相タイプ)」を発売した。従来、単相タイプは販売していたが、3相タイプでユニット化した装置は他社にはないため、市場での感触は悪くない。
昨年秋に新製品などを追加した約400頁の製品総合カタログを4年ぶりに作り直して発行した。Web重視の時代に徐々に変わってきているというものの、紙ベースのカタログを求めるユーザーの声は多い。開発設計者などの傍に置いていつでも見てもらえることでの販売効果を期待している。
今年の景気は先行きに見えている部分も多く、楽観はできないものの、この良い状態が継続してくれるのではないかと期待しており、19年3月期は前年度比10%増ぐらいの売り上げ計画を立てて取り組みたい。新製品として、サイリスタの400Vタイプの発売を考えている。また、データ収集・活用ツール「でじろーくん」も、IoT時代の通信ネットワークを活用した遠隔監視ニーズに対応するものと、市場への浸透に取り組んでいきたい。