常務執行役員 ロボットビジネスセンター長 橋本康彦
2017年度は過去最高となる見通しで、金額で20%以上、台数で30%以上伸びている。自動車、半導体向けが過去のピークを更新した。地域別では、国内は堅調、米州と欧州も良いが、特に中国が大きく伸びている。
また人共存可能な双腕スカラロボット「duAro(デュアロ)」の拡販に努めた結果、多数の新規分野向け受注につながった。昨年東京お台場にオープンしたカワサキロボステージでは、VR映像とロボットの動きを融合した「K-Roboride」を導入し、多くの来場者を集客してカワサキロボットを認知していただいた。製品としては、小型汎用ロボット「RS007N」、「RS007L」を発表した。クラス最速の動作スピード、広い動作範囲を有し、電気・電子部品、食品、自動車部品等の市場ニーズに応えていく。
18年の見通しは明るい。推計では日本だけでも労働人口が毎年約60万人減少する。政府もロボットの普及に努めており、新たな分野へ活用が期待できる。労働人口の減少は他の先進諸国も抱える課題である。米州、欧州も堅調に推移するが、中国は自動化ニーズの衰える兆しは見えず、市場拡大の原動力となる。
従来ロボットが入っていなかった中小企業にもロボットを普及させたい。そのためには教示が簡単で現状スペースに簡単に設置できるロボットが求められている。人共存可能な双腕スカラロボットduAroはそれに応えた製品だ。今後ラインアップを拡充して普及に努め、適用範囲を広げていく。
また、iREX2017で発表した、遠隔協調で熟練技術者の動きを再現する新ロボットシステム「Successor」を18年度から社内及び一部限定顧客に販売開始する。労働人口減少に伴う熟練技術者の技能継承が可能で、製品の完成度を上げていく。19年度発売予定の医療向け手術支援ロボット、ヒューマノイドロボットの開発にも注力する。