【各社トップが語る2018】デンソーウェーブ「QRコードの活用拡大へ」

代表取締役社長 中川弘靖

2017年度は売上ベースで昨年を上回る見通し。自動認識のAutoIDは流通と物流関連で大型案件の受注があり、ロボットは国内が堅調。制御機器もOEM供給先の各社が好調に推移している。

17年はQRコードのソリューション開発に注力した。東京都交通局と共同で、列車のドアのQRコードを読み込んでホームドアの開閉制御を行う技術を開発。複雑な制御がいらず、簡単で安価なシステム構築で済むと好評だ。

また鹿児島銀行へは、セキュリティ機能付きのQRコード「SQRC」と顔認証技術を組み合わせた本人確認のシステムを提供。ホテル業界へは、スマートフォンのアプリと連動し、フロントでQRコードをかざすだけでチェックインができる仕組みの構築をサポートした。ここに来てセキュリティ性と利便性を両立したQRコードの新しいソリューションができつつあり、QRコードを開発した会社として、機器の進化とソリューション開発をリードしていく。

ロボットに関しては、小型協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」の受注を開始した。人の作業サポート以外にも、イノベータとの交流を通じて、われわれが予想も付かない使い方のアイデアを豊富に得ることができた。また国際ロボット展で発表した双腕型マルチモーダルAIロボットが大きな反響を呼んだ。ロボットの使いやすさを向上させる技術として開発を進めていく。

18年はワンダフルな年にしたい。営業面では海外対応を充実し、売上に対する海外比率を将来的には5割まで引き上げたい。またデンソーの世界130の工場をつなげるプロジェクトに参画し、そこで培った知見を提案していく。ORiNを活用して現場の設備をつなぎ、工場をIoT化する新製品「IoTデータサーバ・IoTデータスタジオ」を18年中に発売する予定だ。

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