●半導体・FPD製造装置 2.5兆円に到達
●ロボット 生産額1兆円を目指す
●工作機械 2年連続前年超え視野
2018年はスタートから機械装置産業にとって幸先良い報告が相次いでいる。工作機械と半導体・FPD製造装置、ロボットの主要機械の出荷額が過去最高を記録。しかも一時的ではなく、18年以降も堅調に推移するとみられている。関連部材にも好影響をもたらし、日本製造業にとって良い波が押し寄せている。
日本半導体製造装置協会は1月11日、17年度から19年度の需要予測を発表した。17年度の半導体製造装置とFPD製造装置の合計販売額は前年比21.9%増で過去最高となる2兆4996億円に達し、18年度はさらに8.3%増の2兆7072億円と見込む。19年度は半導体製造装置が微増、FPD製造装置が調整局面に入り、全体では2兆6641億円になると予測した。
背景として、半導体製造装置については、市場を牽引してきたスマートフォンに加え、今後はIoTやビッグデータ、AI、自動運転時代になり、サーバーやストレージ分野が拡大。さらに高速処理への要求からメモリや先端ロジックの需要増加につながると見ている。FPD製造装置については、スマートフォンの有機EL化、スクリーンサイズの拡大とテレビの大型・高精細化によって安定成長が続くが、韓国・台湾の主要パネルメーカーは付加価値の高い有機ELや車載ディスプレイ生産に向かっているとした。
急成長が続くロボット産業。日本ロボット工業会の調査では当初、17年度の年間生産額を7500億円と予測していたが、実際にはそれを大きく上回り、前年比28%増の9000億円に達する見込み。12日に行われた新年賀詞交歓会で稲葉善治会長が明らかにした。
18年に関しても、生産性革命に向けた3%以上の賃上げと設備投資、人材投資を行う企業やIoT投資に取り組む企業の法人税減税などを背景に国内は堅調と予測。海外は中国の自動化への投資意欲やアジア・欧米の景気拡大により需要拡大が見込まれ、全体として前年比11.1%増の1兆円の大台を目指したいとしている。
日本工作機械工業会の飯村幸生会長は10日の賀詞交歓会のあいさつで、工作機械の17年度の受注額は過去最高となる1兆6400億円に達し、18年度は4%増の1兆7000億円の2年連続過去最高を目指すことを明らかにした。
17年度の工作機械は内需・外需ともに好調。17年11月までの累計で、内需は16.8%増となる5659億9200万円、外需は39.8%増の9136億6000万円で推移している。中でも外需が絶好調で、中国は昨年の2倍超の3125億2200万円を記録。EUも20%増、北米も12%増となり、自動化や省人化の波に乗り、世界的に需要増が続いている。
好調の影で部材不足も
世界的に需要が高まる一方、部材不足も発生している。駆動の鍵を握るベアリングや直動機構といった要素部品は生産が追いつかず、調達が難しくなっているという声も上がっている。