島津製作所は、ワーク(検査対象物)のX線CT画像撮影と高精度な内部寸法の計測が可能な、同社としては初の計測用X線CTシステム「XDimensus 300」を発売した。価格は1億2000万円~、販売目標は発売から1年間で国内外10台。
新製品は、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同で開発。同社のマイクロフォーカスX線CTシステムのフラッグシップモデル「inspeXio(インスペクシオ) SMX-225CT FPD HR」と同等となる国内トップクラスの解像度で観察が可能であるとともに、最大許容指示誤差3.8~9.8メートル(測定寸法による)という計測用X線CTシステムとして国内最高レベルの計測精度を実現している。
透過力に優れる自社製X線発生装置を搭載しているため、炭素繊維強化プラスチックのような樹脂からアルミのような金属まで、幅広い材質のワークを高コントラストに観察可能。自動車業界や電子部品業界における図面の検証をはじめ、樹脂成形品やアルミ加工品の検査などにおいて、作業の効率化や品質精度向上への貢献が期待できる。
また、直径300ミリメートル×高さ300ミリメートル、最大質量10キロまでのワークをセット可能で、複雑な条件設定無しでスムーズにX線撮影を実行できる。さらに、装置内温度を20℃に保つ機能やステータス異常を検知して通知する機能も標準搭載しており、計測能力や観察能力だけでなく使い勝手も兼ね備えている。