【2018年年頭所感】日本電気計測器工業会 会長 堀場厚「潮目の変わる時代に挑む」

新年あけましておめでとうございます。2018年を迎えて一言ご挨拶申し上げます。

昨今の世界情勢は一層不透明感を増しています。最強国の米国はTPPやパリ協定から離脱を表明し、中東も再び不穏な動きを見せ、英国はEU離脱を宣言し、東アジアでは北朝鮮問題が緊迫の度を増しています。

産業のマザーツールとも言われる計測・制御機器を製造販売する企業の集まりである日本電気計測器工業会(JEMIMA)は、比較的景況の影響を受けにくいと言われていますが、16年度の販売実績は強気の予想を裏切って15年度を約4%下回る7507億円(海外拠点売上含む)となりました。

IIoT、Industrie4.0、AIなどの新しい技術革新は工場生産現場にも大きな変革をもたらし、プロセスオートメーション(PA)、ファクトリーオートメーション(FA)に直接貢献する製品を守備範囲とする当工業会にとっては好材料と期待されますが、近年の世界情勢には一つ間違えば世界同時の景気後退をもたらすリスク要因も多く先行きは予断を許さないものとなっています。JEMIMAの各会員企業におかれては、なお一層難しい経営の舵取りを強いられることになるでしょう。

そのような状況下にある現在、まさに時代の変わり目に直面しているとの認識でJEMIMAは今、大きく変わろうとしています。

まず組織改革を実行します。事業推進を担う21の委員会を新設する4つの「部会」の下に再編成し、事業の柔軟な横通しと調整が行えるようにします。委員会事業の重複や抜け落ちをなくすと共に、委員会自体の新設・廃止も柔軟に提案可能になることで事業の効果的な推進を加速する効果を期待しています。

計測展に関しては、計測展TOKYOはシステムコントロールフェア(SCF)との合同展として規模の拡大を行い、来場者数を大幅に増やすことができましたが、今年は計測展OSAKAの根本的な改革にむけて関係委員会と事務局が一体となって活動を開始しています。関西開催のメリットとJEMIMAの独自性を生かした活発な情報発信ができるように、と考えています。

さらに、前記のような改革を効率的に実施するためにJEMIMAの情報インフラも一新して、先端的な企業の集まりにふさわしい効果的な情報発信を行えるように進めています。

世界の基幹産業である自動車業界をみても、自動運転やコネクテッドカーなど、いままでにない新しい技術が求められるようになり、全く異なる業種から新しいプレイヤーが参入しつつあるなど、技術的にもビジネス的にも従来の延長線上にはないコンセプトが次々に紹介されています。加えて、事業展開のスピードも格段に速くなり、時間軸は以前より一桁短くなっていると感じられます。

このように、世界で「潮目が変わりつつある」と感じられる昨今、JEMIMAとしてもそれに遅れることなく、むしろ変革をリードできるような業界団体に脱皮したいと考えている次第です。

JEMIMAといたしましては各会員企業が視野を世界に広げ、新技術・新製品開発に邁進するためのサポートに徹することによって顧客の皆様の期待に応え、ひいてはわが国の科学技術の振興発展に貢献すべく活動してまいる所存です。

本年も、JEMIMAに対する関係各位の温かいご支援とご理解をお願い申し上げて、18年年頭の挨拶とさせていただきます。

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