【2018年年頭所感】日本配電制御システム工業会 会長 宇賀神清孝「信頼される物づくりを期待」

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

年頭に当たり、平素より弊会にお寄せ頂いております皆様の暖かいご指導とご支援に対し心から御礼申し上げます。

わが国の経済は、大手企業の収益改善を背景とした設備投資の増加や雇用環境の改善などにより緩やかな回復を続けておりますが、北朝鮮の緊迫化による地政学的リスク、米国の政治情勢など海外に不安定な要因が多く、外的要因に懸念材料を残しながら新たな年を迎えました。

建築用配電盤類の生産数量は、2015年度をピークに10%程度落ち込んでおり、これが受注価格にも影響を及ぼし、大手ゼネコンやサブコンの業績が好調である中にあり、当業界は予想に反し厳しい1年でした。

本来、東京オリンピック・パリンピック関連投資が本格化すべき時期にあるにもかかわらず、計画の変更や人手不足などの要因により、遅延が顕在化しており、これが民間の建築投資にも影響を与え、納期の延長や短納期化などへの対応が今まで以上に求められています。

首都圏では先行き相応の受注量が見込めるものの、足元での見通しが立たない状況が続いており、閉塞感が漂った年でした。

本年は、後半からのオリンピック関連投資の本格化に加え、都市中心部の再開発やリニューアル案件の増加が見込まれ、ここ数年は首都圏を中心に活況になることが予想されますが、短期間に生産が集中することに伴う様々なリスクが懸念されます。

鋼材や自動車関連等上場企業の物づくりへの信頼性が揺らいでいる中にあり、これから繁忙期を迎える当業界にとって品質の確保や信頼性の向上は大きな課題の一つです。

会員各社におかれましては、需要動向を的確に把握し、顧客から信頼される物づくりに努められますことを期待しています。

弊会では、業界の地位向上・知名度アップや会員の皆様への均等なサービス提供に向けて取り組んでいますが、今年は4月に青年部を設立し、業界の将来を担う若手経営者の連携を深める計画です。

また、今年度より見直した製品製造の裏付となる優良工場認定事業の審査方法の浸透、事業拡大を目指す会員へのサービスの一環としてPVメンテナンスの研修体制の充実、会員相互理解を深めるための様々な機会の提供や情報発信などを通じ、魅力ある工業会に向けて事業運営に取り組む所存です。

結びに、皆様方のご健康とご多幸をお祈りしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

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