毎年の仕事始めは、新年賀詞交歓会のはしごと決まっている。今年も5日のJEITA・JEMAに始まり、多くの工業会の賀詞交歓会を巡った。今年は半導体製造装置、工作機械、ロボットの受注額が過去最高になるだろうという報告をはじめ、多くの業界で明るい話題にあふれ、いい新年のスタートとなった。
▼しかし懸念点も残る。景気回復によって売れる環境が整う一方、日本の製造業が直面している課題は多い。少子高齢化による労働人口の減少と人不足、生産性向上を目指す製造業のデジタル化とデータ活用、縮小する国内市場から海外市場への事業シフトと対応、昨年後半から噴出し始めた品質問題、中国など新興国の急成長とその対策など。一時は良くても将来を展望すると解決すべき問題は山積みだ。
▼「めちゃくちゃな時代に突入した。『不確実』だということだけは『確実』。そう思って活動しよう」(SEAJ辻村会長)「経営者にとってリスクに対応するための俯瞰的な視点と、変化を恐れないチャレンジ精神が一層求められる」(日本フルードパワー工業会永久会長)「キーワードは『スピードあるアクション』、『個性ある経営』『大胆な挑戦』にある」(経産省多田製造産業局長)。賀詞交歓会のあいさつで発せられた言葉を並べると共通点が見えてくる。それが「変化への挑戦」。好景気に支えられて好結果が出ているとはいえ、これも改革の道半ば。2018年はこれまで以上に変化を加速させていくことが重要になる。