ルネサスエレクトロニクスは1月30日、東京・ステーションコンファレンス東京で「R-INコンソーシアムフォーラム」を開催した。
はじめに横田善和執行役員常務兼インダストリアルソリューション事業本部長が同社のインダストリアル事業の方向性を解説。インダストリアル事業はSOCIETY5.0の実現を目的とし、スマートホーム、スマートファクトリー、スマートインフラをターゲット市場としている。特にエンドポイント領域を対象に定め、現場でのAI活用を促進する「e-AI」を成長のドライバとするとした。
従来、AIは学習と推論処理のサイクルを回すために、クラウド処理やGPGPU、FPGAなど高価で高い処理能力の半導体が必要とされていた。それに対し同社は、学習と推論実行に分割し、エンドポイントで求められるリアルタイム性と安全性、ロバストネスに優れ、推論実行に特化した機器組み込み用のAIとしてe-AIを開発。AIユニットソリューションとして各種プログラムやツールなど開発環境を提供開始している。
すでに明電舎とアドバンテックからe-AIを使ったAIユニットが発売予定で、「AIは処理性能が高く、高額な半導体を使わないとできないものではなく、学習と推論実行を切り分けることでもっとリーズナブルにできる」と話し、今後は機械・設備への組み込み、新しいソリューションを作っていきたいとした。
同コンソーシアムは、同社の半導体を使い、第4次産業革命に向けたプラットフォームソリューションを構築する場として工場の効率化・高付加価値化を実現するパートナー連携。産業機器の開発に取り組む企業に対して、開発環境の提供や受託開発のサポートを行っている。15年4月に26社ではじまり、18年1月で67社まで拡大している。