高付加・単価品も伸び顕著
富士経済(東京都中央区)は、加飾・装飾フィルム関連市場を調査し、結果を「16年加飾装飾フィルム関連市場の現状と将来展望」としてまとめた。加飾フィルムは20年に11億5610万ドルに拡大し、ウインドウフィルムも9億2400万ドルになると予測している。
加飾フィルムは単価下落が見られ、これにより用途幅の広がりが見込まれ、市場は拡大すると予想。
OMD(TOM)フィルムは日本では自動車内装向けで新たな参入メーカーが増加し、採用車種・部位も広がってるほか、今後大手メーカーの採用が増加すると予想。中国では環境対策として塗料使用規制が厳しくなるため、キーボードや家電製品向けで需要が増加すると見込んでいる。
IMF/IM-Lフィルム(自動車用)は車載ディスプレイのタッチパネル化や意匠性向上トレンドもあり、ナビゲーション周りの筐体用で採用が急速に増加。欧米や韓国に続き、中国自動車メーカーでも塗料使用規制対策として、加飾フィルムへの代替ニーズが高まっており、今後採用が期待されている。
ウインドウフィルムは、建築用が先進国、新興国ともに需要が拡大し、市場拡大中。高単価の遮熱・断熱タイプの比率が増加し、単価も維持。自動車用は、世界的な自動車生産台数増加があり、フロントサイドガラスへの搭載率の上昇で市場拡大を見込んでいる。
フィルム関連材料は、ハードコート材が自動車やノートPC、高級家電製品向けが好調。自己修復コートフィルムは携帯電話向けと自動車向けで堅調な需要が続く。ABSフィルムベースの製品開発も活発で、参入メーカーも増え、長期的な自動車向けの伸びが高くなるとみられる。
加飾・装飾向けの基材フィルムは、PETフィルムが市場をけん引し、加飾フィルム・装飾フィルムともに好調を維持。高機能化により市場拡大を予想している。PMMAフィルムやABSフィルムは自動車用IMFフィルム用途を中心とした高価格グレード品で、製造メーカーも限られることから、安定した需要が続く。POフィルムはOMD(TOM)フィルム用途でキーボードや自動車部品向けのほか、自動車向けの高価格帯製品も伸びている。広範な用途に普及することで、量産化と低価格化が進み、さらに市場は拡大するとみられる。