売上高571億円到達を予測
IDC Japan(東京都千代田区)は、国内の3Dプリンティング市場について、2015年から16年の実績、17年から21年の予測をまとめた。16年の総売上高は328億円で、16年から21年の年間平均成長率(CAGR)は11.7%とし、21年には571億円に達すると予測している。
国内3Dプリンティング市場は、3Dプリンター本体、3Dプリンティングサービス、造形材料で構成される。16年の3Dプリンター本体の売上額は118億円で前年から19%のマイナスだったが、3Dプリンティングサービスは7.3%増の100億円、造形材料は30.6%増の110億円となった。本体売り上げはマイナス成長だが、サービスと造形材料が蔵海したことで市場全体としては成長となっている。
16年の本体市場は、デスクトップ型の国内出荷台数が前年のマイナス10.5%の5900台となり、プロフェッショナル型も前年のマイナス1.4%の1300台だった。同社によると、3Dプリンターは「魔法の箱」ではなく何でも作れるわけではないことがユーザーに正しく認識されるようになってきたことから、今後は用途や目的が明確なユーザーの購入が進むと考えられるとしている。そのため、デスクトップ型は減少するものの、プロフェッショナル型は堅調に増加していくとみている。21年の国内本体市場は、出荷台数6000台、売上額161億円と予測している。
一方、サービスと造形材料は今後も成長する見込み。プロフェッショナル型の出荷が増加することにより修理/保守サービス市場が拡大し、同時に、造形材料の消費量も増加する。サービス市場の16年から21年のCAGRをプラス7.5%、造形材料市場をプラス19.2%とし、21年の売上額はそれぞれ144億円、266億円と予測している。