三菱電機 研究開発成果披露会 AI応用など20件発表 賢く制御する技術確立

オープンイノベーション推進

三菱電機は「研究開発成果披露会」を本社で2月14日開催した。今回で35回目になる披露会には20件の新技術が発表されたが、このうち6件は、同社が独自のAI技術ですべてのものをより賢く制御するブランドとして取り組んでいる「Maisart(マイサート)」に対応した技術となっている。

同社の柵山正樹社長は「企業として、省エネルギーなどの環境対応で社会に貢献していけるような開発に取り組んでいる」と挨拶した。また、藤田正弘常務執行役開発本部長は「現在事業の徹底強化を進めながら、10年、20年後にあるべき姿に必要な未来技術も、国内外のオープンイノベーションなどを通じて外にある技術とも連携して推進していく」と開発方針を示した。

AI技術を利用した6件のうち、「器用に制御するAI」では、AIと複数センサーによって取得したデータでの推論を常時繰り返すことで、状況の変化をリアルタイムに把握する技術を実現している。展示では、動く台車に載っているプリント基板にロボットを使ってコネクタを装着する技術をデモした。コネクタへの装着位置制御は±0.25ミリが要求され、しかもコネクタケーブルの張り具合や基板が揺れることでさらに装着が難しくなるが、AI技術による制御アルゴリズムを自律的に学習することで、わずか3.5msのリアルタイム制御を実現している。

また、「モデルベースAIを用いた機器制御技術」では「Maisart」が、試行錯誤を繰り返しながら自動的に制御方法を学習することで、制御プログラムの開発が不要になり、システム開発時間・コスト削減を可能にしている。

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