ブラザー工業は燃料電池市場に正式参入し、出力4.4キロワットの燃料電池「BFC4-5000-DC380V」の受注を2月28日から開始した。2025年度までに200億円の売り上げを目指す。
新製品は、燃料電池の外へ水素を漏らさない徹底的に安全性を追求した製品設計になっており、万が一、燃料電池内で水素が漏れても、水素センサーや圧力センサーで検知して水素を遮断、換気して水素をためないという3重の安全構造を採用している。
また、燃料電池の性質上、水素の何割かは反応しきれず、反応しきれなかった水素は通常は水と一緒に排出されるが、新製品は水素と水が混在した状態から水素のみを取り出して再利用することで、より効率の良い発電を実現。同じサイズの燃料電池と比較して2倍の電流量を発電することが可能となっている。
さらに、長時間にわたり安定して発電することができるため、非常用電源として有効で、電力消費の高いモーターなどを稼働し、急激に電力消費量があがった場合でも、蓄電池不要で素早く応答し、電力を供給する。
加えて、IoTを使ったモニタリングサービスにより、遠隔地から燃料状況や発電状況などを把握することができ、既存の発電機と比べ、維持・管理の負担を軽減できる。