ルネサスエレクトロニクスは、リモートI/Oやネットワーク対応ドライブ、通信モジュールなどの産業機器に、ネットワーク機能を付加するため最適化された「RZ/N1Lソリューションキット」を4月から提供する。
新製品は高度に集積化されたRZ/N1L開発ボードで、デイジーチェーン構成やシステムのモニタリング機能付き末端装置の実現に使用される2チャンネルのイーサネットポートなどの機能を評価することが可能。コードやデータ格納用の32MBの外部フラッシュメモリ、デバッグ用ポート、プッシュボタンとLED等が搭載されており、USB経由で給電される。
また、スタンドアロンなリファレンスデザインとして部品選定に使えるだけでなく、異なる産業イーサネットプロトコルの要求に対応したハードウエアの設計ガイドラインとなっているため、設計リスクや開発遅延を防ぐことが可能。
さらに、抽象化レイヤとして機能する汎用APIが含まれており、コンパイラやOS環境に加えて、主要なプロトコルスタックパートナの異なる産業イーサネットプロトコルに対して統一したサポートを提供。これにより、ユーザーは容易に、かつ、アプリケーションソフトウエアへの影響を最小化して、プロトコル変更を実施することができ、開発工程における製品の評価期間を最大で3カ月短縮することができる。
「RZ/N」はシリーズ展開されており、PLCなどマスター機器向けのハイエンドプロセッサ「RZ/N1Dグループ」およびHMIなどのミッドレンジ機器向け「RZ/N1Sグループ」用のソリューションキットはすでに提供を開始。RZ/N1L用のリリースにより全ラインアップの評価キットがそろい、幅広い産業機器に対応するネットワーク機能の評価が可能となる。