「ロボット事故」防止へ資格制度 18年度スタート 正確な知識共有

製造現場をはじめ、あらゆる分野でロボットの活用が進む中で、ロボットを起因とする事故を防ぎ、安全を確保するための「ロボット・セーフティアセッサ資格認証制度」が2018年度からスタートする。セーフティグローバル推進機構(IGSAP)と日本電気制御機器工業会(NECA)、日本認証(JC)の3団体が連携して運用するもので、今年夏頃には資格試験の実施を予定している。ロボットの安全な活用に向けた環境づくりが一歩前進しそうだ。

現場の安全推進

世界では現在約35万台の産業用ロボットが製造現場に導入されていると推定されている中で、ロボットを起因とする死亡事故などは毎年発生している。ロボットの稼働域を柵で囲む安全の法規制も緩和されており、人とロボットが連携して稼働する協働ロボットの開発も盛んに行われている。

ロボットの事故撲滅には、ロボットメーカー、システムインテグレーター、エンドユーザーが、リスクアセスメントやリスク低減手法などで正確な知識を同じように共有し、安全確保のための連携した取り組みが重要となってくる。

新たにスタートするロボット・セーフティアセッサ資格認証制度は、この相互業務連携に必要な知識、能力を保有する人材に認証基準を与えることを目的にしている。

産業用ロボットに関する安全については、ISO10218(2011)に対応して、15年に国内規格のJISB8433が改訂発効している。協働ロボットなど、産業用ロボットの適用システムは今後さらにさまざまな形態に発展することが予想される中で、その安全確保についても基本的な考え方を理解しながら確実に実施することが求められている。

ロボット・セーフティアセッサ資格認証制度は、NECAがスキームオーナーとして運営し、機械安全全般をカバーしているセーフティアセッサ制度に加える形で運用する。

セーフティアセッサ有資格者(SSA、SA、SLAのいずれかの保有者)に対し、ロボット特有の安全に関する知識も十分に保有することを付帯して認証する。

このため、受験者はセーフティアセッサ有資格者であることが必要になるが、同一募集期の同時受験も可能とする方針。また、セーフティベーシックアセッサ(SBA)については計画中となっている。

現在セーフティアセッサの有資格者は国内外で約1万3500人となっており、海外でも取り組みが始まっている。

なお、試験の実施運用は、セーフティアセッサと同様にJCが行う。

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