時短や操作性もアップ
日立産業制御ソリューションズは、湯流れ(溶融金属が鋳型内部に注湯される際の流れ方)解析の高機能化、凝固解析時間の短縮および操作性向上を目的に機能を拡張した鋳造シミュレーションシステム「ADSTEFAN(アドステファン)Ver.2018」を3月6日から発売した。
「ADSTEFAN」は、素形材の製造現場における鋳造欠陥を事前に予測する鋳造シミュレーションシステム。ブラックボックスである鋳型内への溶融金属の流入や凝固状態をシミュレーションし、その過程を3次元で表現することで、試作回数の低減や開発期間の短縮、品質向上が可能となり、コスト低減と省資源化を実現する。
今回発売した新バージョンでは、溶融金属の流れ方や温度変化に影響を与えるラドル、プランジャーチップ、ストッパなどの移動状態を再現することで、より実鋳造に近い湯流れ解析を実現。また、選択した部材を凝固率計算の基準とすることで、無駄な計算を省略し、解析時間の短縮を可能にする。
さらに、ダイカスト鋳造、重力鋳造、低圧鋳造といった鋳造法ごとのインターフェースを設け、鋳造現場でのオペレーション業務を再現した操作性を実現。従来に比べ流入条件入力作業の工数を削減できる。
加えて、解析結果を比較する際に、複数枚を並べて表示することで視認性を向上。Webブラウザやプレゼンテーションツール表示に適したアニメーション画像の出力が可能となっている。
同製品は日本語、英語、中国語の3言語に対応。国内外の社会インフラ、自動車、輸送機器の研究・設計・開発・製造部門を対象に、年間150ライセンスの販売を目指す。