日本航空電子工業と光村印刷は、タッチパネルの大画面化に対応したメタルメッシュタイプの車載用静電容量式ガラスセンサを開発した。車載用静電タッチパネル「TC230シリーズ」の製品ラインアップに追加し、9月から量産を開始する予定。
大画面化されたタッチパネルは、操作面の配線が長くなるため、配線抵抗値が高くなり、タッチ検出感度が不足する傾向にあるが、従来のITO透明電極膜のタッチパネルでは低抵抗化が難しく、課題となっていた。
日本航空電子工業は、この技術課題に対応するため、ITO透明電極膜に代わるメタルメッシュセンサを開発し、業界初となる印刷方式のフィルムセンサの量産を開始。今回、これに続き、光村印刷との技術提携でフォトファブリケーション方式によるメタルメッシュタイプのガラスセンサを開発した。
新製品は、低抵抗な銀粒子を分散させた感光性材料をガラス基板に塗布し、マスク露光・現像プロセスにより配線を直接形成。この配線形成技術は正確な再現性を有しているため仕上がりのバラツキを抑えることができ、安定した品質を実現すると同時に、フォトレジスト工程の一括露光を用いて、量産性の向上やリードタイムを短縮する。
また、感光性材料と加工プロセスの最適化により、人間の目では不可視なレベルとされる4マイクロメートルまでメッシュ幅を細線化することにより、高い水準の外観品位を提供する。
最大サイズ20インチ程度まで対応可能、厚み1.1ミリメートル。