FA関連機器 伸長継続 JEMA・NECA 17年度生産2桁増 PLC、サーボ、センサが牽引

重電機器、電気制御機器の生産が過去最高の勢いで伸長をみせている。サーボモータやPLC(プログラマブルコントローラ)、FAセンサなどが2桁の増加を示し、過去のピークを越えていることなどが大きな下支えをしている。IoT対応や自動運転、人手不足、人件費上昇、働き方改革など、電気制御機器、重電機器市場を取り巻く環境は設備投資を誘発する状況が依然継続しており、当分は上昇基調が続きそうだ。

 

日本電機工業会(JEMA)がまとめた重電機器生産の2017年度実績見込みと18年度の見通しによると、17年度は3兆8551億円(前年度比111.1%)と3年ぶりにプラスに転じ、しかも過去10年にはなかった2桁の増加をみせた。特にPLCとサーボモータは、世界的な自動化の流れに乗り、17年度に過去最高を記録し、18年度もさらに拡大する見込みとなっている。

17年度の重電機器生産は、IoTを含めた生産設備や自動車、スマートフォン向けの電子部品・半導体の需要増などを背景に、国内とアジアで旺盛な設備投資を受けて好調に推移。

製品別では、発電用原動機が同126.8%の6289億円。回転電気機械が同108.8%の9835億円で、省力化需要で交流電動機が大幅増になったほか、サーボモータが国内・アジアの半導体、液晶、有機EL製造装置の設備投資の活況により大幅に増加。

静止電気機械器具は同108.1%の7460億円、開閉制御装置は、同108.4%の1兆4967億円。低圧開閉器・制御機器のPLCが国内と中国などアジアの設備投資により好調で、増加する見通し。監視制御装置は製造業向けの需要回復により増加を見込んでいる。

18年度も重電機器は伸長し、101.6%の3兆9149億円の見通しとなっており、07年度の3兆8668億円を上回って、ここ10年来では最高になり、リーマンショック前の水準を超える。

製品別では、発電用原動機が同80.3%の5050億円と停滞するが、回転機械は交流電動機とサーボモータの好環境が持続し、同106.2%の1兆449億円。静止電気機械も、サーボアンプと変圧器の増加が見込まれ同105.8%の7889億円。開閉制御装置は、閉鎖形配電装置とPLC、電力・製造業向けの監視制御装置が好調維持で、同105.3%の1兆5762億円の見通しとなっている。

日本電気制御機器工業会(NECA)がまとめた17年度の出荷見込みは前年度比112.3%の7450億円と2桁の伸長となり、過去最高であった07年度の6682億円を大きく上回り、NECAが統計を取り始めてから最高の出荷額となる。

製品分類別では、操作用スイッチ469億円(同117.6%)、検出用スイッチ1224億円(同112.6%)、制御用リレー1712億円(109.0%)、PLC・FAシステム機器2802億円(同116.0%)、制御用専用機器1243億円(同106.9%)と、制御用リレーと制御用専用機器を除いて2桁の増加をみせている。

18年度も7600億円(同102.0%)と引き続き過去最高出荷額の更新を見通している。操作用スイッチ480億円(同102.4%)、検出用スイッチ1250億円(同102.1%)、制御用リレー1750億円(102.2%)、PLC・FAシステム機器2850億円(同101.7%)、制御用専用機器1270億円(同102.2%)となっている。

 

自動化の設備投資でPLC、サーボモーターが大幅増加

労働力不足は日本だけの問題でなく、世界中で課題となっている。特に世界の工場といわれる中国でも、若者はブルーカラーの仕事を避ける傾向が顕著になっている。製造能力を維持し続けるためには自動化が必須で、国を挙げた取り組みが進んでいる。

こうした追い風を受け、PLCの生産が拡大している。JEMAのPLC生産は17年度に1364億円となり、これまでの最高値だった06年度の1274億円を大きく超えて過去最高を記録。18年度も拡大し、1400億円に到達すると予測している。

PLCはNECAもPLC周辺機器も含めて統計をまとめているが、同様の傾向を示しているものとみられる。

また、サーボモータは17年度の生産が1173億円となり、12年の調査開始から過去最高となる。18年度もこの勢いは持続し、1251億円まで伸長する見通し。またサーボアンプ単体でも、17年度は2009億円、18年度は2141億円に達する見込みだ。JEMAではサーボモータ・サーボアンプを合計したサーボモータ市場としては3400億円に達する見通しを立てている。

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