米・Vicorは、高性能なGPU、CPUおよびASICプロセッサ(XPU)用のモジュール型のカレントマルチプライヤ(MCM)を含む新しいPower-on-Package(PoP)のチップセットを3月7日に発表した。
人工知能、機械学習、大量のデータマイニングなど、高性能アプリケーションが必要とするXPUの動作電流は増大し続けている。高電流給電ユニットがXPUの近くに配置されているPOL(point-of-load)電源アーキテクチャは、マザーボード上の電力分配損失を軽減するものの、XPUとマザーボード間の相互接続の問題を解消するものはなく、XPUソケット内のマザーボードの導体とインターコネクトで構成されているXPUとの距離が、XPUのパフォーマンスとシステム全体の効率を制限する要素になっている。
PoPは、効率的な電力給電と48Vから1V以下のXPUへの直接変換をサポート。大電流を必要とするプロセッサに近接して電力増倍機能を配置することにより性能を向上。電流の増幅機能がない従来の12V入力マルチフェーズ電圧レギュレータの限界を超え、大電流を必要とする人工知能プロセッサや自動運転の48Vシステムを実現可能にする。
新製品の「MCM4608S59Z01B5T00」(MCM)と、モジュール型カレントマルチドライバ(MCD)「MCD4609S60E59H0T00」は、最大1Vで600A、ピーク時最大1000Aの給電が可能。