アジレント・テクノロジーは3月14日、企業によるデータの不正改ざんを防止するための、OpenLab製品を使ったデータイテグリティ対策についてのレクチャーを行った。
データインテグリティはデータ完全性とも言われ、データが全てそろっていて欠損や不整合がなく、一貫していて正しくアクセスできることを保証すること。近年頻発しているデータ改ざんやセキュリティ対策として重要視され始め、特に化学品や食品、医薬品等では厳しい管理が求められている。
無視して守らなかった結果として、例えばカビの試験会社では、カビの数を多く見積もって清掃業務を請け負う契約を結び、これに対して最大2500万円の罰金と5年の禁固刑が課された。またある自動車メーカーでは、排ガス試験のデータを偽造し、健康被害で100億円、集団訴訟や罰金と和解、顧客離れ、リコール費用などで合計3.5兆円を費やしたという例を挙げた。
データインテグリティを守るためには、手順を厳密に運用して、記録に残すことと、ソフトウェア技術で不正を行えない状態にすることが必要であり、同社は、データインテグリティ向けソフトウエアとして「Agilent OpenLaB Enterprise Manager(ECM)」を提供している。データを一括保存する管理サーバーシステムで、手順管理よりも技術管理、事後探知よりも事前予防、紙よりもオンラインデータによる管理を優先し、装置の種類やメーカー問わずデータを管理できる。記録の保護やアクセス管理、監査認跡、電子署名、レポート機能等でデータインテグリティを保護する。