三菱電機は3月27日、FAシステム事業の戦略説明会を開いた。2017年度は、旺盛な設備投資需要を受け、第3四半期までで売上高5100億円に達し、通年では過去最高を更新する見込み。中期目標は20年度に7400億円、25年度に9000億円を目指すとし、積極的な設備投資と人員強化を行う。
世界でe-F@ctoryソリューション提案を強化
成長戦略における製品・商材の柱は、e-F@ctoryのソリューション提案。現在のパートナー企業はe-F@ctoryアライアンスが約610社、CC-Link協会には約3300社が参加し、世界で7700件以上の生産ラインに導入されているなど拡大している。
近年話題となっている生産現場とITシステム領域の連携、エッヂ領域への取り組みに対しては、オープンなソフトウエアプラットフォームであるEdgecrossを活用。Edgecross対応の産業用PC、リアルタイムデータアナライザ、SCADAを近々に発売し、e-F@ctoryのソリューション提案力を充実させる。
AI活用については、同社のAI技術「Maisart」と生産技術の知見の掛け合わせを強みとして工場のスマート化を促進。18年度にAIを組み込んだ製品を7機種出す予定とした。
世界各地域のローカル戦略について、日本では、18年7月に秋葉原に東日本FAソリューションセンターを新設するほか、総勢150人のソリューション専任部門を新設。中国では政府系とのパイプ強化に加え、自動化・IoT化に対する現地体制を強化。人員拡充で2600人とし、販売会社のe-F@ctory部門人員も17年度の2倍となる50人に増強する。販売拠点も中国・合肥など4拠点を新たに設け、ロボットの現地生産化などを計画している。韓国・台湾はe-F@ctoryパートナー拡大に注力。70社のパートナー数を目指す。インドは販売網を拡充し、政府による製造業高度化へ協力。欧米では、IoTやAI技術調査や開発に力を注ぐ。
生産体制も強化。ACサーボは18年3月で月産48万台、シーケンサは6月で月産19万台に増強し、ロボットも6月から中国(常熟)で生産を開始する。さらに、中期目標に向け、日本の中部地区で2カ所の工場建設、中国常熟・大連地区の生産拠点拡大、インドでの新生産拠点の設立などを計画している。