働き手不足の拡大が懸念される昨今、機械の日常点検などを自動化し、さらに低コストを実現するIoT・AIサービスが登場した。ICTインフラトータルサービス企業のユニアデックスが手がける「AirInsight Maintenance(エアーインサイト メンテナンス)」は、設備メーカー、設備工事事業者、設備メンテナンス事業者のIoT化を支援するIoT設備点検診断クラウドサービス。IoTとAIを活用し、ポンプ、コンプレッサー、モーターなどの回転機械の稼働情報の把握、異常検知、故障予測などを行う。
情報把握、異常検知、故障予測
同サービスは、必要な機械学習を含むIoTクラウドサービスと、センサーやIoTゲートウェイなどのハードウエアをニーズに合わせて提供。後付けセンサーによるデータ収集のほか、設備診断手法に基づく機械学習エンジンが搭載されているため、すぐにIoT化が可能となる。日常点検や簡易診断を機械学習で代替えすることにより、保全作業員や診断技術者は故障要因解析など、より重要な業務に専念できるという。
このサービスを構築するにあたり、IT企業である同社の担当者は「ISO機械状態監視診断技術者(振動)」の資格認証を得て、現場のプロと専門用語で会話ができるようになったという徹底ぶり。設備のスペシャリストの言葉や考え方、ノウハウが理解できるデータサイエンティストの養成にも力を入れている。
同サービスの販売モデルは2種類。培った知識をもとに、メーカーや事業者などが保有する診断ノウハウを、お客さま専用のアルゴリズムとして機械学習エンジンに実装する「OEMモデル」と、同社の標準の機械学習エンジンが組み込まれた「サービス販売モデル」がある。「OEMモデル」は他社との差別化を図りたいメーカーや事業者に最適なプランとなっており、「サービス販売モデル」は追加開発が不要、対象設備に合わせた機械学習のチューニングだけで使用可能のため振動診断などに詳しいユーザーに適しているという。