日本電機工業会(JEMA)は4月12日、2018年度の「電機工業技術功績者表彰」の受賞者を決定した。最優秀賞は「操作性・安全性に優れる冷凍機冷却式超電導磁石の開発と実用化」(東芝・栗山透氏、高橋政彦氏、大谷安見氏)が選ばれた。このほか優秀賞3件、優良賞21件、奨励賞57件と、委員会活動として最優秀賞1件、優秀賞1件、優良賞2件、奨励賞1件が受賞した。
最優秀賞の「操作性・安全性に優れる冷凍機冷却式超電導磁石の開発と実用化」は、取り扱いが難しくて高価な液体ヘリウムを使用せずに、冷凍機によって冷却する超電導電磁石の開発。産業用・医療用の同方式による超電導磁石が開発され、重粒子線がん治療装置のガントリー重量の半減、単結晶引上用磁石で3分の1の省エネ性能、冷凍機冷却式高磁界超電導磁石として世界最高の25Tの磁界発生など実績を上げ、革新的技術成果となった。
ものづくり部門では、優秀賞に三菱電機(高橋浩二氏、伊藤仁志氏)の「革新的な製造方式により高信頼性を実現した高圧変流器の開発」が受賞。専用の金型を使わず、絶縁ケースに直接注型を行う製造方式を開発し、注型をしながら真空引きを行い、ボイドレスを実現し、過電圧に対する裕度、長期信頼性を大幅に向上させた。またバリ除去作業が不要になり、3K作業も根絶することができた。
優良賞はオムロン(澤井大介氏、藤原泰治郎氏、眞﨑賢一郎氏)の「統一コンセプトに基づいた制御機器の開発による制御盤設計/製作合理化への貢献」、ダイキン工業(藤解健一氏、平井芳明氏、中田英樹氏)の「プレスの年代によらず最新鋭化する低コスト金型・自働化プレス加工技術の確立」、パナソニック(森杉和宏氏、大沢幸春氏、尚永博之氏)の「刃先薄型精密刃加工技術とワイド&ラウンド形状刃加工技術を搭載したボディトリマー用セーフティロスネス刃の開発」が受賞した。