ローム 筑後工場に新棟建設 SiCパワーデバイス生産強化 生産能力25年に16倍

ロームは、「SiCパワーデバイス」の事業戦略発表会を行い、電気自動車などに使用するSiCウェハ・デバイスの生産能力の増強を加速すると発表した。

SiCパワーデバイスは、電力変換の際の損失を減らすことができ、従来のSi-IGBTに比べてスイッチング損失を70~90%、導通損失を50~80%まで減らすことができる。モジュールや周辺部品の小型化、冷却機構の簡素化にも効果的で、市場が拡大中。特に電気自動車やサーバー、太陽光発電、FA・産業用設備などで拡大し、市場規模は2025年には17年度比およそ8倍の2300億円程まで伸長。特に電気自動車市場は20年に200万台、25年には500万台になると見込まれている。

現在、同社はSiCウェハーでシェア20%を持ち、世界2位だが、「25年にはシェアを30%まで伸ばし、ナンバーワンのメーカー・世界一を実現していきたい」(東克己専務取締役)とし、生産能力の強化を図っている。25年には生産能力を現状の16倍まで増やし、投資額は25年3月までの累積で約600億円を予定している。

直近では、SiC6インチウェハの生産工場として、ローム・アポロ筑後工場(福岡県)に地上3階建て、延べ床面積約1万1000平方メートルの新棟を建設し、19年に着工、20年に竣工の予定。また宮崎県の拠点でも生産を予定している。

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